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3 大公家で知られる初代大公リカルドについてのまとめ c


 今代、第28代大公ルーファス・シン・リカルド・エルハルムは1000年にも渡り、開かずの間にしていた魔法で出来た扉を開けていた。

 この扉、文武は勿論魔法の攻防回全てを納めたといわれる初代大公リカルド・シン・ドバル・エルハルムの隠された秘宝といわれる部屋に居る。

 何故、そんな部屋が1000年も閉ざされていたのか、何故今開いているのかというと初代大公のとある願いから今日こんにちまで開かれる事なく閉ざされていたのだ。

 その願いとは以下の願いからである。


1 公国民の識字率が90%を超えている事。

2 平民でも普段の下回った食生活でなく、普通の食事を取れ少し頑張れば本を買える情況であること。安価で買えるなら尚の事良し。

3 平民でも貴族でも見栄や虚栄心ではなく、楽しく本を読み、本を書ける環境で妄想小説を当たり前に書いても問題が無い様な時世である事。

  *正し、治安や倫理を破壊・誘発するような小説は却下。官能小説は可。

   この辺の管理はその時代の当主に任せる。との、事。


               以上である。


 この初代大公の記した願いは何故か、1000年もの間、聞き入れられ守られたのだった。



 先に、初代大公は『もっとも謎の多い人物』と紹介にあったが、それは正確な事実ではない。

 初代大公の謎の多いところはと答えるべきか、それとも幼少期は・・・・・いや、戦争に行ったときに考え出された精密な策略の数々や大雑把な人物像が伝わったりと色々憶測が立たされ、他家の高位貴族歴史書からしか若かりし頃の大公の記録が出てこないといったこともあり、謎とされる人物である。

 だけど、いや、しかしというべきか。

 この国の公国民であれば誰だって知っている一つの事実がある。

 それは、初代大公の母は平民とは言え、父は公爵家当主という立場でありながら、何処をどう間違ったのが不明に怪物や魔物といった化物と戦う職業【冒険者】に成ったという経歴を持っている人物であった。


 これには色々と学者・一般市民(平民)間で色々憶測が立たれている。

 一つは、公爵家で居心地が悪く致し方なく冒険者に成った。


 二つ、公爵家には嫡男が居たため追い出された。(という者居るが公爵家から出てくる話には仲が悪かったという記録はない。それ所か、優秀な兄を敬愛していたそれ所か嫡男(次男)と三男は共謀して長男に当主の座を譲ろうとしていたという記録さえ出てくるため一番可能性が低いものといわれている説である。が裏ではという憶測話である。)


 三つ、駆け落ち説。というのも、初代大公の妻は貴族ではない。

 では、何か? それは自身の母と同じく平民ので、である。ということから駆け落ちしたのではと憶測が立たれているが、この説も可能性が低いとされている。

 というのも、未来の大公妃は冒険者をしている時に出会った。それも、100km以上離れた土地の出身で大公家記録にも載っているくらいだからだ。

 それ以前に公爵自体、平民の妻を持っている時点でその可能性は捨てられている。

 公爵家の記録では、平民の妻と相思相愛だとわかる文章が多い。

 歴史学者は、この記述を見て、良く平民の妻といちゃついていて、貴族の第二夫人や第三夫人に何もされなかったと不思議がられている。


 四つ、国王とも懇意にしていたらしく密命を受けていたのでは? 特に冒険者という名を借りた間者として・・・・・・・。

 などと他にも色々あったが、この中では国王の間者という線がもっとも強く、皇国記ファリアス・ラオ・ドバル・エルドールハルハウト皇国録でも初代大公が冒険者時代に皇帝に向けて、様々な情報を届けていた事を記す書と手紙が出てきている。


 この事から、公爵家長男は父親経由でそのような任務を仰せ付かったのではというのが、有力説である。



 が、まあそんな説はこの際もうどうだっていい。

 だって、歴史の新事実をこれから魔法書庫から引き出せるのだから。


 

 歴史家であり、第28代大公は大公国のもっとも古い歴史書を始めてみる栄誉に身を震わせていた。

魔法書庫は大公国の城の中には存在しない。

では、何処に? それは、大公国首都の中央にある3キロ平方メートルある公園が魔法書庫の入り口だと言われている。

現大公は代々伝わる場所に向かう。

公園の中心地【八公】と書かれた犬の台が置かれており、その目の前の立つ。

そして、懐から一つの鍵を取り出し、合言葉をいう。

「想像は偉大なり」

 その言葉をいうと目の前の犬の像は口を開き、石の舌を上あごにくっつけて初めて、鍵穴があった。

 そこに鍵を差し込み動く方向に捻ると、大地はゆっくりと震えだす。

 そして、震えは大きくなり地面が軋みだす。

 軋みだしたと思いきやふと何だか浮遊感に襲われた。

 そう、何を隠そうと公園一体は浮いていたのだ。

 浮いている高さは8m。

 どうやって降りれば!? 何て考えない。

 学問を学び義務とされた中等教育を終えている者は魔法も使えるのが普通であり、その中には浮遊魔法も納めてるのが普通で飛んで降りれば良いし。

 大地が、公園が浮遊しているのに目の前の犬の像だけが浮遊せず、一箇所がぽっかり穴が開いている。

 そこを覗くと、下に続く透明で質量を感じる魔法の螺旋階段が下まで続いていたのだった。



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