27 薬 c (最初の物取りの功労者会)
c
現場は大公家の中庭にて、今回の勲等会を行なっている。
あの後すぐさま、俺の現存時間が迫ってきていたから大公家に戻る事に成った。
情報を秘匿したおかげもあり、重要人物を誰一人逃がさずに捕獲が完了したが、何よりも兵士たちの素早い行動に俺はもろ手を上げて拍手していた。
「皆! ご苦労だった。
皆の普段の錬度の成果が今ここで見せてもらった。
ジュームス商会を一網打尽に出来たのは皆の普段の訓練の賜物と言えよう。
さて、会長を捕らえたのに一躍貢献したのは何を隠そう我が配下カールドではあるが我輩が身体を張っただけ(地面を割った)で本質は人間大砲だったせいだと言えよう。
ゆえに一等勲功は時期商会会長の若頭を捕らえた、ガオラ上等兵とする!」
俺はみんなの苦労を労う言葉から始め、会長を捕らえたのが俺の身内のカールドであることを言った時、僅かながら皆の顔色が落ち、知っている者は口には出さないが、『え~』と不満な気配がヒシヒシあったが、それを無視することを告げて現大公の兵士を一等勲功に上げると兵士たちは喜色を浮かべ大いに盛り上がった。
「また、二等勲等をジュームス商会で雇われていた傭兵どもを15対1で倒し尚且つ的確な指示を出したアラス中隊長とする。
最後に三等勲等を我が家臣カールドに渡したいのだが皆了承してくれると嬉しい。コイツ今度結婚するんだ。相手の親に箔を付けさせて結婚をさせてやりたい。」
二等勲等も現大公の家臣から出た事に兵士たちは拍手をして喜び、三等勲等に関しては最初の方はちょっと納得言っていなかったが理由を話すと、ならしょうがねーな。という、柔らかい雰囲気が広がり、おめでとーという拍手まで巻き起こり始めたのだった。正直兵たちが優しくて俺は心の中で感動してた。魔力を彼らから貰ってもいたが、とかな理由が『結婚するなら、箔は欲しいよな』が多く、しょうがない雰囲気が混じっていた。
でも俺はまだここで終わらない。
「さて、今回の勲等だが補助勲等というのを採用させていただく。本来勲等とは戦いにて手柄を立てた者に与えられるが、戦いとは違う所で手柄として考えられる行動をしたものに与えられるものである。
例えで言うなら、大公民が事件に巻き込まれないように差配したり、急遽起きた事件や事件の関係者を逃がさないように警備を張った者に与えられる勲等である。
その上で、一等補助勲等をアラス中隊長に与え、二等勲等をイワノフ小隊長ならびにその部下に、三等補助勲等をニブ小隊長に与えるものとする」
おおおおおおおおおおおお!!!!! と、新しく勲等が増えるのと仲間達が貰えると言う事もあって、現場は大きな盛り上がりを見せた。
ついでに、一等補助勲等のアラス中隊長は敵を打ち砕きながら防衛拠点の保持見事な指揮をしたことに対して、また、その指示を的確に理解してみせた隊員たちにも補助とする。
二等補助勲等のイワノフ小隊はドサクサに紛れて商会の物を略奪しようとした人間や近くに潜伏していた殺人犯が驚いて出てきたのを見事に捕獲したことが要因であり、隊員たちは小隊長がそちらに行くにあたり、それの援護並び防御地点の確保をした。補助を受けるに相対する。
三等補助勲等ニブ小隊長は見事な鉄壁で立ちの悪い情報屋を1人残らず押さえ込んだ。
と説明をしてやると、兵士たちから「「「おおおお!!!!!」」」と歓声が響く。
何でそんな事が解かったのかは後の話の中に出てくるから今は興奮と感動でこの騒ぎの続きをサクサクと進んで行こうと魔法で作った三角スノコの上に今回の罪人たち(大人しい)を正座させて猿轡させながら、尋問を開始の合図を発した。
「さ~~て! 褒賞は後で渡すとして、今度は彼らに本音薬を飲ませて尋問タイムだよー!!!」
「「「「!!!!!!!」」」」
全ての奴等の頭の上にビックリマークがついた瞬間だった。
そして、彼らの疑問は魔力によって俺の頭の中に流れ込んできた。
300年前に失われた裁判を簡単にする魔法の薬の実在に驚いたらしい。と言う事だ。
21時
終わり、一章




