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26 手柄 c

c


 大公門は本来魔法で動くもので誰かが主導であけるものではない。

 勿論主導でも開けられるが、魔力路をオフにするか、魔力がなくならないと主動と言うものは取られない。

 その閉じられた門の内側に集まる兵の数、騎兵100に歩兵400計500が集まり、防音魔法を張り、此度の作戦が告げられていた。

しかし、兵たちの中に歌舞伎者が1人居た。それは皮鎧を着たカールドである。

コイツが歌舞くのを計る大きな理由は2つ。

 一つは一般人もっと言えば現大公つきの学者であるのが羞恥の認識で、もう一つが皮鎧と言う事である。

 本来大公家の正規兵は、鉄鎧を着ている。

毎日筋トレもとい訓練をしているから、鉄鎧を着て動けるが、カールドは学者でついさっき従士に取り立てられただけ、突然鉄鎧を着せて見せたが案の定動かないから、皮鎧を用立てて初めて何とか成ったのだったが浮きまくる、浮きまくる。途中で吹き出しそうになってしまった事はカールドに内緒であるはずが、凄いに睨まれている。何でなのだろうか? わからないよねー。



 一通りの話が終わった。

 話の内容としては情報を遮断し、拙速を貴ぶものと問いヤル気満々な兵士たちは、城門を開けてジュームス商会に向けて走り出した。

 先頭にいたカールドはダンプカーに跳ね飛ばされたかのように空中を舞い、運動音痴差を見せてくれる。

 コイツを今後鍛える事を思うと『オラッ! ワック、ワック!! してくんぞーぉ』とどっかの有名人の言葉を真似してしまう。

 さて、俺も行きますか。

 ふわりと空中に浮かび上がり、魔法で空中にとどめ置いたカールドを回収しながら、士気の高い兵士たちの後をゆっくり追うのだった。



 現場に到着すると誰かが騒いでいた。

 コイツを調べるならどうするか? 最も簡単な方法は、彼から魔力を半分貰って確かめる。

 空中からゆっくりと腕を組んで尊大におりてくる俺。

 騒いでいた男は目が点に成るのも一瞬、俺に向ってまた、吠えだそうとしたが彼の目の前に手を翳して、ちょっと待てと押しとどめる。

 喋ろうとするのを無理矢理止めた手を彼の肩に置き笑顔で魔力を直接吸う。

 そうして出てくる彼の記憶は、ジュームス商会の若頭で時期当主で、親父からの帳簿の改竄を容認し、自らも率先し、違法薬物栽培・奴隷を保管し、暴行すると言った悪辣行為、しかも、裏から手を回していくつ物商店を違法に潰し極悪を家業としている糞の一派だったりした。

 うん。殴っとこ。

「フン!」

「ゲハッ! ・・・クッ・・・い、いきなり何を・・・・・・グッ」

 俺は鳩尾を決めて、優しく胸倉を締め上げ吊るして聞く。

「お前の親父は何処に居る?」

 笑顔で優しい声で尋ねてみる。

「ッ・・・・・・・」

 反抗的な目で俺を見下ろしてダンマリを決め込むが、彼の親父さんが何処にいるか知っている俺は、動けなくなり意識のある状態くらいまで魔力をドレインし、死なないように気をつけながら石畳の上に叩きつける。

 叩きつけら得たショックにより白目を向きピクピクしている若頭を横目に俺は歩き出す。

 回りの兵士たちがドン引きしている上、俺の進む先の兵士たちは怯えるように道を開けて言ってくれる。

 俺はとある石畳の上で立ち止まり下を見る。

 勿論そこには何の変哲の無い石畳が続くがこの更にしたには、地下道がある。

 この地下道は大公が逃げる時のおとり用の隠し通路であり、下水を流しているところでもある。

 俺はそこに向けて魔力を込めた拳を突き刺した。

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

「な、なんだ! なんだ!」

「何でいきなり、崩落が!! 大公領の地盤は確りしているのではないのか!?」

 地下道に居たそいつらは、慄き怯え騒いでいた。

 俺はというと空中に浮いている。ついでに、俺の行動についていけていなかった兵隊たちも空中に浮かして巻き添えを防いでいる。

 俺はゆっくりと相手の行く方向を防ぐように陸地へ降りる。兵士たちも一緒だ。

 その上で俺は先制攻撃を仕掛ける。

 空中に浮いているカールドに物理・魔法防御を上げる魔法を掛け、敵陣へカールドを射出した。

「うぎゃあああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」

 と、悲鳴を上げるカールド。

「「「うわああああああああああああああああああああああああああ!!!!」」」

 と、何かが飛んでくることに恐怖する彼ら。

 ぶつかる音に近くに居た兵士たちが痛いものを見る視線を向ける中、俺が声を張り上げる。

「ジュームス商会 会長ジュームス・ギオスをカールド・ドバル・スクアが討ち取ったーーーーぁ!!!!!」

 見えていないものたちはこの声に少し送れて、歓声を上げ、見ていたものたちは黙っていたが『エエエエエエェェェ!!!!!』と見て、当の立役者は敵もろとも全員で目を回して倒れていた。


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