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24 初代大公と現大公 3  c


 お菓子が着てから10分ほどした頃だった。

 本来なら、ロドウルは案内をした後部屋の外に出て、部屋の護衛をするか、自分の部署に戻るのだが、今回は此方の願いで、ここに居てもらっている。

 ノックの音が2度し、「失礼、致します」と地味でも無く華美な服装ではない、部屋着とも呼べるそんな服装だが、客にそんな格好とは・・・なんて思わない。

 俺は魔法生命体でこやつの先祖、そしてこいつら(アリス・カールド)は、市井の出だが、この国の大公が代々質素倹約に努めているのは知っている。

 そして何より、魔法図書をあけたときも華美すぎず染みすぎないが気品を損なわない服装で世間に公開したのだ。いうなればこれが大公の正装なのだ。

 現大公ルーファスは俺を見咎めると口を押さえて打ち震えだした。

「初代様・・・・・・本当に初代様なんですね・・・・ずっと、ずっとお会いしたかった。」

 とは言うんだが、

「いや、前に一度あったじゃねーか」

 なんて、事は俺は、言うね! 自信満々に言ってやんよ!!

「いや・・・・そ、そうですね。あの時は気が動転しまして・・・・」

「そんで、逃げた後自分の部屋で、落ち込みと狂気に悶えていたのは知っている。

 が、そんな事してんなら会いに来い。お馬鹿」

 案の上たじたじして、落ち込むが、俺は怒っていないように明るく恥ずかしめるようからかい、お馬鹿については愛情を込めて優しく十年来の友のように言ってやった。

 それに対して、「はい」と嬉しそうに笑う現大公。

「あなたは、大公家にある言い伝えどおりの人なのですね」

「俺は俺だよ。言い伝えも糞もねぇ」

 ははは、と笑っていう。

 大公もその言につられて笑った。

 お互いに一頻り笑い沈黙が訪れるが悪い沈黙ではない。それ所か今の状況を楽しむように振舞った。

 だからこそ次の話題には緊張が走るものである。ただ、それの緊張は現大公家側だけの話である。

「さて、楽しい会話も一度やめようか、ルーファス」

 その言葉に、ゴクリと唾を飲む音が聞こえる。

「お前に2つ言うべきことがある。」

 深呼吸を一回するルーファス。

「そう、硬くなるな。別にお前を責めに来たんじゃねーよ。

 コイツ(カールド)を俺の従士に任命した。今後騎士に取り立てるつもりだ。それの報告と、兵を貸してほしい。その2つだ。」

 目を見開き次から次へと飛び出す言葉に俺を見たり、カールドを見たり、兵を貸してほしいの言葉にもう一度俺を見たりと、忙しい。

「まあ、聞け。というか、聞きたいだろうからカールドを従士にした理由は話すよ、ざっくりとだけどな」


 カクカクしかじかモジモシ、と、・・・・・、と経緯を話した。


「解かりました。カールドの事は今までどおり歴史学者として此方で使ってもいいのですね?」

「ああ、それは問題ない。

 ただ、今後の直上は俺になる。仕事終わりは俺のほうの仕事をしてもらうというか、騎士の作法が出来てないから当分朝と夕方に色々叩き込む」

 確認のルーファスの言葉に改めて問題ないと言う言葉を言う。その上、カールドを見て満面な笑みで鞭を打つと公言してみせると、僅かに怯えたそぶりというか武者震いを見せてくれる。ヤル気満々なんだろうな(笑顔)。

 カールドは目を泳がせ、僅かに絶望の色が見える。が、今は無視。

「それではもう一つの願いの方の理由を言おうな。

 事の始まりとかはいらんだろ。もう面倒な話は嫌いだから言うんだけど、これからジュームス商会を摘発する。

 摘発理由は脱税と違法薬物の栽培並び売買、禁獣の売買・捕獲に対して行なうものだ。」

「「・・・・・・・・・」」

 二人の男が無言と化し、二人の男女は、自分たちの今後に関わるため神妙にして、黙っていた。

 近い時間にて1人が沈黙から回帰し、言葉を発す。

「この領地について、五代続く大店ではありませんか!?」

「ああ、そうみたいだな。

 でも、それがなんだというのだ? 大公領には大公領の掟がある。掟とは法だ。

 法とは人が人であり続け、獣のように誰かに襲われる恐怖の無い日々をすごすために、守らなければならない生きるための道筋だ。

 それを犯す者は、例え大公家のものでも間違った事したら問われるが道理。今までに国に貢献したと言うならその分を差し引き罪は問わなくばならない。


 さもなくば、国が滅びる。


 

貴族は蛮族に代わり、民は、奪われ・奪うものに変わり、世界に広がれば世界が滅ぶ。

いつしか、人は安寧を求める者が生まれる。

でも、それ以前にそこまで行ったら世界は、混沌と言われる人が考えも着かないことが起きる最悪な世界だと思う。自身が産んだ子を食うとかな・・・

俺はそんな世界を見たくない。

俺はそんな世界を見るくらいなら、家族とて、血を分けた子とて、手にかける。

俺は俺が大公という立場でものを見ない。民としてみた時、そんな世界は、そんな世界に生きるのは御免被りたい。」

 堂々とテメェの心うちを目の前のこいつらに言い放つと同時に、副音声を混ぜて聞いてみた。

 『テメェーらもそんな糞みたいな世界になり、住んで見たいかい?』


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