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21 かいもーん!(蹴破って)

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 今俺は公爵城への道を三人で歩いている。

 人員は、俺・カールド・アリスである。

 何故、アリスが居るのかというと一応念の為とカールドの結婚報告の為である。

 先ほどのことから既にもう、15分はたっており、カールドの口から俺がどのような存在かを噛み砕かれ細かく説明をされている。

 幾つの事に驚き、うろたえ、恥ずかしがり、怒っていた。

「ご、御先祖様は、やりすぎです。」

「いや~あんくらい優しい方だよ。俺のやって来たことに比べれば」

「案くらいって、スゲー鳩尾痛かった。けどこれ以上爺さん何やったんだよ」

「ん。7代目大公候補ルイセンと15代目大公レイシス・20代目の弟リゴンを警告で腹痛にし、目の前に表わし、拳でボコボコにして、それでも直らない時は陸上の上で溺死させたり、火の気の立たないところで焼死させてやったことがある。

 大公家の歴史書に不可解な死を要する記述があるときは無かったか?」

「有りました。」

「あれは8割が俺の行為で死んでいるんだ」

「「!」」

「何でそんな事をしたのか? つー顔をしているがそれはあいつらの自業自得だからな。

 ルイセンは公爵領では奴隷を売買する事や使用人にすることを禁じている。使用人にするにしても最低賃金を払い、財を奪わない事になっているのに、奴隷売買人から賄賂を受け取り、自身が当主になったら廃止しようとしていた事が殺した理由だし。

 レイシスは、領民達に良政を引いてはいたが裏では浮浪者の女子供や奴隷は勿論平民でメイドとして働きに来ていた人間を拷問部屋に連れ込み死に至らしめていた。

 リゴンは、自分の能力が低くプライドが高いしかも、努力することをせず、それなのに文句だけは一人前に言う。この程度なら、普段は殺しまではいかんだが、他国の口車に乗り兄殺しを画策し、領民の大半を奴隷に落として報酬を得ようとした奴だ。

 血縁で子孫ではあるが、俺の大事にするのは民を大事にする大公と大公候補またその血族で、人の命を蔑ろにする者は血族であろうと俺は許さん。」

 だから、殺したが何かあるか。と目で言うと、二人は物事の大きさに驚き口を閉じた。

「俺だって、人の親だ。子孫の死はつらい。自身で殺したとしてもだ。

 でも、守るものが違う。

 民に裏切られたわけでないのに貴族は民を裏切っては成らんのだ。

 もし、自身が貴族でなく、民であり自信の信頼を裏切ってきたら、お前たちは貴族を許せるのか?

 貴族の行いを信用し安くもない税を払っているのにそんな理由で地獄に落とされたら許せるのか?

 奴隷という身分に望んでもいないのに落とされ殴られたらしょうがないと諦めて受け入れるのか?

 強ければ正しいと、何をやってもいいと言われ虐げられる側になったらお前たちはそれを受け入れるのか?

 惚れてもいない男に孕まされて、目の前で孕まされるのを見て納得できるか?」

「「・・・・・・・」」

「・・・・俺は、出来ないな。税を払うのは自分で出来ないことをしてもらうための報酬として払っているのに、取るものだけ取って我関せずは、俺は絶対に許せない。

 そして、そうなったら人数を集めて、例え死ぬと解かっていても反乱を起こすさ。

 負ければ死ぬが、勝てば相手の一族丸々殺すと思う。

 そしたら、俺の子孫共は皆殺しだろうね。

 中には努力し、善政を敷いた当主もいただろうがその血も途絶える事になる。努力をした人間を馬鹿にする好意を俺は例え血族でも許せんのだよ。


 だからね、俺はカールドの溝蹴りしたことを悪いとはあまり思っていないよ。ちゃんと気が着けば面倒は見るつもりだったし、惚れた女に「好きだ」の一言も言えないド阿呆なんて蹴られてもしょうがねーだろって思うんだって、話している間についたな。」

 城にっと小さく話を着るように言い、城門へ近づいていった。



「止まれ! 何者だ!?」

 ポケットに手を突っ込んだまま大公の住まう家に近づいていくと門の傍に居た門番がやりを突き出しながら近づいてきて警告をしてきた。

「初代大公 リカルドだ。現大公 ルーファスに会いたい。取次ぎを頼む」

 俺は堂々と初代大公であることを伝えると俺の後ろ8m地点に待機していた子孫共が痛い人見るように顔を抑えている。

 というのも、俺達は一切、現大公とこれから行くとか手紙を出すとか一つもしていない。

 そんな中、三人で門に近づけば最悪刺されて死んでしまう(二人が)。

 だから、刺されても問題ない魔法生命体(実態を持っていない。物理に干渉可・不可もあり)の俺が前に出るというのが無言のうちに決定された。と、言ったら悲しすぎるだろうか?

 いな、無言ではない事は言っておこう。実際は、少し話してこうなった。

「「・・・・・。」」

「何をふざけた事を言っている!」

「そうだ! 大公様を呼びつけようとするのもだが、初代大公様の名を語り現大公様にお会いになろうとは、牢獄に繋いでやる大人しくしろ!!」

 お互いに顔を見合わせた後、威きり立ちながら、俺に近づいてきて俺を取り押さえようとした。

「うっ! おおおお!!!!?」

「な、なんだ???」

 二人の門番は俺を捕まえようと俺に腕を伸ばし、肩を掴んだはずだった。

 でも、二人の手は俺の体に重なるようにして空振り、姿勢を崩して俺の身体を貫通し転びそうになりつつも、姿勢を起こし何が起こったのか情況を確認しようと警戒していた。

「いや、無理じゃね。

 俺魔法生命体で実体化したり、幽体化したり出来るから捕まえられないし、捕まえても簡単に透過して出てこれるし意味ねーよ」

 俺も首だけ180度半回転し彼らに気安く話しかける。

「っ!!!! ・・・・・・・」

「っ!?!?・・・・・・・・」

 兵士たちは無言で有り、今一言っている事を理解していないぽかんとした顔をしている。

 子孫達に関しては、他人の振りして見てていいよと言っといたんで本当にそうして此方の様子を覗っている。

「なっ、何を言っている!?!?」

「お、お前・・・・一体、何者・・・なんだ!?」

 ようやく出る声は間抜けに見えるが、まぁ普通なら正しい反応のような気がする。

 が、言って差し上げる。

「だから、初代大公 リカルド・シン・ドバル・エルハルム。魔法図書館に魔術を駆使して自らの魂をこの世に残したリカルド本人だよ。

 勇敢で忠実な大公家の兵士君たち。


 悪いんだが、此方も現在しているだけでそれなりに魔力を喰う。申し訳ないんだが問答無用に通らせてもらうから、よろしくね」

 首を戻さないまま、見上げるようなでかい扉の前に歩きつき、軽く足を上げて、ポン! という音が立ちそうな感じでソフトに扉を蹴った。

 結果、何も起こらなかった。

 緊張していた兵士たちも、『何も起きないじゃないか。 はっ!』とでも思っている顔をしたそのときだった。

 ボヲォォォォォォォオオオオオオオンンンンン!!!!!

 爆音を出し、扉が押し開いた。

「う、嘘っ・・・・・・・・」

「・・・・・・・・ゴクンっ」

 膝から崩れ落ちる兵士とただただ呆然と立ち棒する兵士がそこに居た。

 そして、二人の子孫もただただ目をまん丸にして扉を見るのだった。

 それを見咎める俺はしてやったりとニンヤリ笑い、二人を呼んだ。

「さぁ! カールド、アリスっ! 行くぞ、着いて来い。」

 俺は180度回し首の位置を戻した。

「いやっ! 首が360度回っただけじゃん!!」

 そう叫ぶカールドの言葉に俺は、『おっとぉ!』と魔法で首を形成し直し、見知った大公上へ入城していくのだった。


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