14 初代大公の子供の頃 4 ②
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魔晶石と木枠の話をしてから半年ほどたった頃の昼少し手前頃だった。
我が家の玄関を叩く音が聞こえたのだ。
ドアを開けるとそこには、何と・・・・騎士を連れたファルが居た。
ファルは俺を見つけると否や俺の胸に飛び込んできた。
「ルド義兄上、お久しぶりです!」
「ファルか! 久しいな、元気だったか? おじ上は如何したんだ?」
「父上は仕事で来れないと、だから1人で来たんです!」
飛び込んできた一つ下の弟分でおじさんの息子ファルオス、愛称がファル。
騎士をもう一度見、回りを見る限りおじさんの影が無い。
それに対して、ファルは元気に返答をする。
ファルと俺は一歳違い。
幼少の見切り、つっても今も幼少だけど、互いに物心つく頃には度々あっているし、遊んでいた。
親父たちが義兄弟の契りを交わしているのをこのときには俺は知っていたし、事実兄弟のように育った為、ファルと義兄弟の契りを交わしている。
年齢は俺のほうが一歳年上だったから、俺が兄と言う事で収まっている。
(日記)
ファルも可愛いよ。ぱわぱわ。
(若学者)
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「で、今日は遊びに来たのか、ファル?」
「はい!」
俺の質問に素直に元気良く答えるファル。
護衛の騎士たちを見ると、軽く頭を下げて、まるで『よろしく、お願いします』と言っているように見える。が、副音声がある。
『師匠(せんせい=ウチのオカン)はどちらにいらっしゃいますか?』
実はこの騎士たち、魔法騎士と言われる剣技と魔法を扱い、強さも兼ね揃えた騎士という事だが、あるとき魔法騎士長が俺のオカンと戦い、オカンが討ち倒している。その際、内容に納得行かなかった魔法騎士たちは憤った。
オカンは言った。
『だったら、さっさと(闘技場に)上がってきなさい』
そう、冷めた眼つきで戦いを挑んだのだ。
そして、魔法騎士長を打ち倒した後、彼ら魔法騎士たちを全員まとめて、ぶちのめしたのだった。『まだ、やるなら鞭でお相手するわ。』と、鞭をパン! 音を立てて引き、それ見た負けた魔法騎士たちは顔を赤くしていたと憎憎しい顔をしたオトンが言ってた。
その後、オカンに倒された魔法騎士たちは皆、オカンの弟子と成った。ついでに躾は鞭だったという。
そういう意味ではこの護衛の魔法騎士たちもオカンの弟子である。
ついでにいうと、オカンの弟子をオトンが見ると警戒しだす。
息子が言うのもなんだが、オカンは妖艶さを持ち合わす。まぁ、惚れはしないが。
そのせいか何なのか? 弟子化した魔法騎士たちはオカンに気がある。一部神聖視化して崇めている魔法騎士たちも居るが勿論御神体はそのときオカンが使っていた鞭である。
必死で頼んで貰ったとの事。
彼らの事は言明しないが、あえて言えば変態である。
(日記・若学者)
さて、何かいいたい事あるかね?
「今日はもう帰っていいですか?」
呆れ、もう見たくない気持ちが満載にこもっていた。
全くかわいそうに、我が子孫に一体何があったというのだろうか?
「誰のせいだと思っている!!!!」
心からの叫びっぽい。
事実だから事実を事細かく入れているだけさ、たまには簡略されていない歴史書もいいものだろ?
そのとき、その瞬間の事実をリアルタイムで想像し楽しめるんだぞ。
読み手としては楽しいんじゃねーの? 俺が逆側だったら楽しいと思うんだけど。
まあ、どうしても、こういう系の書物が嫌なら、東西の図書だったら、簡略された歴史書全200巻が所蔵されてる。
こっちで200巻以上を読むよりは簡単だけど、それ面白い?
そっちを読むと、今までの色々な歴史書とかぶっている事が多く、読む意味ないと思うよ。
まっ、好きにすると言い。
本なんて物は、読み手が読みたいものを読むものだからね。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ん」
彼はそういって、また書物に目を戻し始めたが俺は思う。
『ん。ってなんだろうか?』
俺はオトンがいないことを魔法騎士達に報告すると、笑顔で彼らはお小遣いをくれるからそれらを貰い、ファルと街に出かけていった。
この王太子が代々納める土地は、中心地から第一区画、第二区画、第三区画と三層の城門があり、第一区画の中心地に王太子の屋敷があり、そこから100mほど離れたところから貴族街となる。
第二区画は金持ちの一般市民か商人、貴族の親戚が住んでいる地区になる。また、特性としては、第一と第二の間は、王太領の騎士団の副団長以上と伯爵以上・王太子の認可証を持っている者は顔パスだが、それ以外は必ず検査と身分を調べられる決まりがある。
ああ、勿論緊急時は別に成るが。
第三区画は、まぁ色々居る。正直この当時の貧富の差は確かに有ったが、俺達がここに越して来てからは大分少なくなった。
なぜなら、王太子の政策により貧民でも仕事にありつけるようになり、領民が生き生きしていたりした。
王太子であるおじさんは、オトンと言う腹心を手に入れ、自分ひとりで考え回していた面倒ごとをオトンと相談し、オカンに時折助言を貰い、俺の提案した政策を指揮官2倍で頑張っているからだったりしていたのはこの当時の人間たちは知らないことだ。
しかし、そのおかげもあり、絶対的な貧困による餓死が減り、この領地だけとはいえ活気付いているのはいいことだと思うという感想は付け加えておこう。
俺とファルは、第三区画まで顔パスで着ていた。
ここの第三区画は普通に人攫いや裏の商人とか普通に居て、過去5度その類に遭遇しているが、今だ俺達は無傷である。
それは何故なのか? 理由は簡単である。
現在、俺の目の前に人攫いが第三区画の人たちに振るボッコにあっている。
原因はファルで、ある。
俺とファルはよく二人で第二や第三に遊びに来る。
そして、貴族の子供です! 見たいに振舞い、犯罪者が引っ掛るのを待つ。
今回はファルが後ろから近づいてきた男に突然持ち上げられて、男は突然走り出し、三歩目ですっころんだ。
ファルに至っては空中で浮いていて、怪我はなく普通に地面に降り立つ。
男の足元が膝まで地面に埋まっていた。
俺は、笑顔で言う。
「騎士 ライドの息子 リカルド! 及び、ファリアスの子 ファルオス、ここに人攫いを捕まえたり! 動かなくなるまで殴るのを手伝ってくれる方を募集する!!」
毎度の俺達の外行ったときの遊びである。
最初はオトンとおじさんに怒られたが、母が笑って庇ってくれて、オトンは10秒で陥落し、おじさんは30秒で陥落したので問題が無かった。
(日記)
今、うちのオカンが強すぎね? とかと思ったことだろうが、俺のオカンは下手な人間よりは賢く、強く、えげつないから基本相当な理由がないとおじさんもオトンも逆らわないんだ。
といってもこれだけじゃ、情報が足りないから言うが、オトンは別として、おじさんに至っては、前国王や王太子が色んな迷った時の相談役がウチオカンなんや。
そのオカンがゴネたり、怒りを買うと色々困ることが起こる。
それを脅しにしている。
いや、オカンはマジで俺以上の鬼畜さんだぞ。
で、俺達の悪人捕まえるゲームは現在も無事に続けられているのでした。
でも、その代わり、俺は余り関係ないけどファルについてはオカンに魔法を習うことに成った。
本来は魔法騎士団長か副団長、最低でも今後の副及び団長候補が魔法を教える指導員になるんだけど、その団長とか以下のほとんどがオカンの弟子でオカンがやることに誰も文句を言わなかったよ。
(若学者・日記)
「・・・・・・・・・・・・・・・・色々・・・」
うん。色々?
「・・・・色々言いたい事があるんですが、それが一体何から聞けばいいのか? 全く解かりません。」
ははははははははははっ!
俺がお前の聞きたい事を解決してやろうか?
「・・・・・・・・・・・・出来るんですか?」
疑っているね~~~。
でもっ! 出来るよ!! ニヤリ。
「いや、ニヤリは想像で着ちゃいましたけど、別に本に浮かび上がらせて文字にしなくてもいいじゃないんですか?」
はっはっはっ! 我が若い子孫よ。君の斜め上の答えで解決してやるよ!!
「・・・・・・・・・・・・・『何、する気なんだ。この人?』」
いや、何もしないけど、まぁ、1000年前に起こった変産者の話さ。




