12 初代大公の子供の頃 3
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ほんで、えーと何処まで話したっけか?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ああ、思い出した。
魔石の欠片を買ったところだな。
オカンは魔石の欠片を貰って、それを見て一番最初にこの欠片を見て思ったのが、これガラスなんじゃねーか。と考えたんだって。
この当時には、魔法が関与して純度100%のガラス細工が普通あったから、都市のガラス職人の所に行って、欠片を魔石の欠片とは黙って職人達に見せたら、ガラスの上質な欠片だと言ったんだって。
其処からオカンは幾つかの考察を持って考えたんだ。
1つ、ガラスや宝石、魔石を取れる場所は何処か?
2つ、ガラス・宝石の魔石は同じモノか?
3つ、火山地帯ではガラスの破片からの魔石生成が多いのか? それとも宝石魔石のほうが多いのか?
4つ、逆に元火山地帯ではガラスの破片から魔石生成が多いのか? それとも宝石魔石が多いのか?
で、調べて、結果を見て、更に幾つかの仮説を考え、その仮説でもっとも可能性が高い理屈で、魔石を作ったら出来たんだと。
その前に、オカンの結果を発表しておこうか?
1つ目の結果が、ガラスと魔石は火山地帯で多かった。宝石は1000個のガラス・魔石中1個あるかないか。
2つ目の結果は、たぶん同じ。ガラスの欠片からの魔石が異常に多いことが解かったんだと。中から、宝石が出てきた例は調べる限り、自分の宝石と含めて2件だけだった。
3つ目の結果は、火山地帯ではガラスの欠片が残る魔石が98%で、宝石が絡む魔石が1%、と他いろいろが1%だったとの事。
4つの結果は、元火山地帯では宝石が絡む魔石が5%、ガラスの欠片が残る魔石が12%、ただの宝石が80%、その他いろいろが3%だった。との事。
これ等の結果から考え導き出される結果は、火山帯の方が魔石の発掘量は多い。
元火山地帯では宝石の発掘量が多い。ということだった。
其処から更に考えた。魔石は火山帯のような熱い土地で採れやすい。つまり、鉄を変化させるが如く、炎に踏鞴を踏みこみ高熱を発生させ、高熱と魔力を圧縮してみれば、魔石が出来るんじゃないんだろうか? って考えたんだって。
ガラスは? 何って考えるだろうけど、オカンはこの時思ったのがガラスは魔石(魔晶石)になる課程でたまたま巻き込まれたという考えを持っていたんだと。
で、実際実験をしたら、魔力の圧縮と高熱魔法の併用で、一瞬は形を成したんだけど、魔法を解くと、爆発するように魔石が粉々になり空気中に溶けるように消えていったんだ。
この辺の課程は俺も実際やったんだ。まあ、先に成功させてから、念のため実験してみたんだけど、10回やって10回とも失敗したよ。つまり、この方法じゃ成功はつかめないと言う事だね。
で、またまた、更に更にオカンは考えた。
何故失敗したのかと。勿論、何回か実験をオカンもしていたとの話だが、熟考を考え、2,3日飯も食わずに考え魔法を使い続けたんだと。
すると、魔力の回復が思ったより進まない事に気がついたんだ。
基本的に魔力って、休んだり、食事をしたりすると回復するじゃん。
オカンはこの2、3日は睡眠はとってはいたんだけど、水などの食事も抜いていたんだって、で、唐突に食物なんか身体に入れたら体が驚くと判断して、井戸の水を飲んだところ、魔力の回復を感じたんだと。
その瞬間オカンは閃くあように気が付いた、と言ってた。
どんな生き物にも魔力はあるのは当たり前。だろ?
子孫は頷く。
実は魔力の大本を魔素というのは知っているよな?
「はい」
その魔素というのは液体に溶け易い性質をしているんじゃないだろうか? で、有るならば、ガラスは高熱を浴びると液体状になる。
其処に、長い年月を経て、雨と共に、空気中の水が土に入り溶けた魔素が、ガラスの液状と反応して魔石になって言ったんじゃないだろうか? に成ったんだと。
で、それを見越してオカンは改めて、ガラスを魔法で液状に溶かしその回りに魔力もとい魔素を魔法で圧縮していったところ、子供の小指大の魔石が完成したんだと。
で、最後にオカンが結論付けた結果は、魔素と言うのは単一(同種同一)ではその場に留まる事が出来ないが、魔素と、魔素を固定する事が出来る物質があれば、その場に形を作って存在する事が出来る。
それが魔石と言うものなんだ。ということなんだと。
ついでに言っておくけど、この話は、驚愕から目を覚ましたオトンとおじさんに話したら、いろいろ詰問されたり、まぁ、オカンにリリースしたり、子供である俺におじさんとオトンが誰にも話すなとお説教くらったり、まぁ、途中で説教が面倒になったらからきっちり言い返して、逆にお説教したりといろいろ今思いだすと本と言い思いでだわな。あーはっはっはっは。
って、如何した子孫。そんな、愕然とした顔して、つーか何手を小刻みに震えてやがる。
その表情から読み取れる言葉は・・・・・。
「「歴史的、大発見じゃないかーーーーー!!!!」じゃねーか!!!! って最後だけ違ったな」
「あんた(初代大公)! 声発せられたんかい!!」
「出来たけど、文字で書くよりも魔力使うからあんましたくない」
「おいぃぃぃぃぃぃ!!!」
こうして、今日も楽しく幕が閉じていくのであった。
「おいぃぃぃぃ!! 勝手に終わらせんなよ。
マジで先祖にドン引きだよ!!!」
まあ、あれだ。慣れろ。読んでいくうちに、一緒に居るうちに、慣れていくよ。
ガンバ!
「ひとごと過ぎる!!」
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