情報収集
説明回です。
次回から少しずつ遅れます
……はい、書きだめが尽きました。
なろう舐めてましたすいません。
意識が覚醒してから二年が経過した。
足腰もしっかりしてきて、二足歩行が出来るようになった。 ……と言うより鍛えた。筋トレやらヨガとかで鍛え上げた。
その結果体力がつき、活動時間が増したのは嬉しいことだな。
それと、この世界の言葉も喋れるようになってきた。
二年も母国語にまみれてたら習得も早いもんである。意志疎通の大切さが見に染みてわかったよ。この二年間で。
この世界の私の名前は「オルト」というらしい。
よく世話をしてくれる金髪シスター、メレナさんのおかげでたくさんのことがわかってきた。
それに、彼女から「教会と孤児院内では好きにしていていいよ」と言われたので、少し前までは好き勝手にうろうろし、最近では教会にある書斎に籠りっぱなしで本を読む生活が続いている。
文字の読み方には少し苦労したが、言語の特徴を理解したら楽に覚えられた。
それからは本を熟読していって情報を集めていく作業を進めている。
情報は力であり、それを活用して最も有効な作戦を組み立てることが大切と前世で散々味わったからな。
……数日前に書斎に神父さんがきて、聖書の読み聞かせをされるとは思いもしなかったが。二歳児に聞かせるようなものではないだろうに。
さて、とりあえず書斎で気になったのは「世界情勢」と「魔法」についての書斎だ。
まずは魔法について。
魔法の無い世界からきた私にとって、魔法に関する情報は実に興味深く、重要なものである。
「初級魔法教本」という書籍を読み進めていくと、いくつか基本的なことがわかった。
1,魔法には属性がある
魔法には「属性」があり、基本的には火、水、風、土、雷、回復、無の七属性だと書かれている。
「火属性」は主に火を操り、「水属性」は主に水を操り……と各属性で区分されている。
ただ、回復属性と無属性は少々勝手が違う。
まず、回復属性はその名の通り傷を癒す魔法を指す。
しかし、他の属性よりも遥かに魔力を使い、神の加護を受けたものしか使えないという。
無属性は、各属性の変化をしない……つまり、魔力そのままの魔法を指す。
しかし、使い勝手が悪く専門で扱う者は少ないらしい。
また、個人や種族でしか使えない「固有魔法」や「種族魔法」もあるという。
そして、個人が出しやすい魔法属性を「適正魔法」といい、逆に出しにくい魔法属性を「不適正魔法」というらしい。
2,魔法を使うには魔力が必要
魔法を使うための必要経費、それが「魔力」というもの。
魔力は身体に貯えられており、魔法を使えば減る。逆に使わなければ回復する。
魔力がどれだけ貯えられるかはひとりひとりで違い、10歳辺りで決定するらしい。
3,魔法のレベルについて
魔法には威力のレベルとして「階位」という分け方がある。
第一階位から第十階位まであり、不適正魔法では基本的に第二階位まで使え、適正魔法では基本的には第五階位までで、才能によってはそれより上へ成長できるらしい。
……うーん。一口に魔法といっても結構色々と決まりがあるらしいな。
さて、次は世界情勢について
つい前世と比べてしまうが、今世も前世と負けず劣らずドロドロしていた。
「スピルス世界旅行記」という書籍からの引用になる。
まず、この世界は「人類サイド」と「魔族サイド」に分かれている。
「人類」とは人間に友好的な種族を指す言葉で、種族は人間、耳長族、土妖精、獣人族、小人族、巨人族、天翼族の七種族。
耳長族は森に住み、魔法や弓が得意な種族で、長寿。また、独自の文化があるらしい。
土妖精は山の麓に住み、少し小さいながらも強い力と高い技術を持つ。ドワーフの多くは魔法が苦手だが、その剛力を生かした戦いかたを望む。
獣人族は人に獣の遺伝子が入り交じった種族で……所謂ケモ耳や尻尾を持った人間のような容姿だという。獣の感覚からだろうか、戦闘能力が高い。
小人族はドワーフよりも小さな種族で、平和と食事を何よりも愛し牧歌的な暮らしをしている。そのため農業が盛ん。戦闘は弓が使える。
巨人族はその名の通り巨体を持つ種族。平和主義であり、同族のことを第一に考えることが多い。
天翼族は背中に翼を持ち、高い山の上で暮らしている。
魔法、武器の才能に長けているもののプライドが非常に高く、他種族を見下すことが多い。
「魔族」とは人間に敵対的な種族を指す言葉で、種族は人魔族、獣牙族、妖魔族、吸血鬼、龍神族、水魔族、鬼神族、蟲魔族の八種族。
人魔族は人間と大きくは変わらない種族。
獣牙族は獣人族とちがって獣に人の遺伝子が入り交じった種族。獣に二足歩行と武器を振るう腕を与えたような姿をしている。
妖魔族は魔法に非常に長けている種族。知識欲が強く、様々な物の研究をしているらしい。
吸血鬼は高い身体能力と魔力を持っている種族。しかし、その代償として、日の光や聖水に弱い。
龍神族は龍の力を宿した種族。一騎当千の実力と魔力を持つ。
水魔族は水陸両方で生きることが可能な種族。身体の一部が魚の姿の者もいれば、魚人と呼ばれる者もいる。
蟲魔族は身体の一部が昆虫となった種族。様々な姿の者がいるため幅広い産業を持つ。
この二つの陣営が大海を挟んで敵対しているのが今の現状らしい。
ちなみに世界地図はざっくりとしたものが見つかった。
東側には人類領土、ちょうど北アメリカ大陸と南アメリカ大陸のようになっている。
西側には魔族領土、ユーラシア大陸を欧州を上にするかたちで縦にして、三つに分けたような形をしている。断裂部分は地球で言う……ウラル山脈とモンゴル領土最東部だろうか。たぶん。 そこを縦で切った後に移動した感じだな。
そして、その大陸同士の南を繋ぐように大小様々な島が連なっている。
陸地の中心を線で結ぶと丁度「U」の形になるな。
二つの陣営は何百年もの間争いあっているそう。戦争しては停戦、それをずっと繰り返しているらしい。
……アホか。技術が発達していったらいずれ大量殺戮兵器かなにかが制作されて両陣営共倒れ。しかも何百年とやってるんだからコンコルド効果と国民の反乱の恐怖も相まって止められず、結果両方一緒に滅ぶんじゃないのか?これ。