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ダンス・ウィズ・デスティニー -少年よ、勝利に賭けてみないか?-  作者: フォックストロット・ファンケルビー
3/3

運命の出会い、とでも思ったか?

森のほうから聞こえた悲鳴は、どことなく女々しくて、俺の中で何かがドキっと鳴った。

これぞ典型的な物語のテンプレではないか。危機に陥っている美少女を救って、そのあとそのままゴールイン。


くふふ、我ながらにいいことを思いついた。


ちょうどマルコムの連中に殴られたこともあるし、ちょっとした気分さらしとして悲鳴のほうへと向かった。


「ってあれ?俺さっきここにいたよな?」


声の元に着くと、それは俺が前に作っていた落とし穴の中から来ていた。


中をのぞいてみると、小っちゃい竜が一匹泣いていた。


っていうか竜って存在してたんだなーって感心していると、そいつは俺を見て、 ハっと鳴くのをやめ、

「おいお前!俺をここから早く出してくれよ!」

と言った。


自分の立場を理解していないらしく、俺はちょっといじめたい気分になっていた。

俺は笑顔のまま言った、「そういや今夜は肉料理だ食べたかったな。」


子竜はゾクッと反応し、

「お-おれも肉料理は好物だぜ?な、なぁ、同じ肉欲の好としてさ、ここから出してくれねーか?」 なんて言う。ほう、とぼけるつもりか、なら直で言うしかないな。グへへへ


俺は唇を濡らし、「子竜って柔らかくて美味しい肉なんだろうなー。」って言いながら近づいた。


「ギャーーーー!!」とこいつは再び悲鳴を上げ、失神した。


俺はちょっとすっきりした、やっぱ弱いものいじめは良くないが、ちょっとした薬にはなる。


とりあえずこいつを穴から出す、そしてまた罠を立てた。


近くの木の元に寝どころをサッと作っては、子竜が起きない丁寧さで横に寝かせた。ちゃんと外敵からは見えない、そして防寒として葉っぱを集め、こいつの上に被せた。


ちょうどその作業が終わっていた頃、ガサっと音がした。


俺が作った落とし穴を見ると、兎が一匹落ちていた。俺を可愛い目で見ながら、

命乞いのような態度をとった。

腹は減っているが、やはり可愛いものは正義だ。俺はあいつを優しく抱き、穴から出してあげた。地面にそっと置くと、一旦身振りをし、兎は森の奥へと再び旅出した。俺はちょっとした溜息をだしたあと、振り返り、なんかの木の実でもさがそうかと歩き出した。

直後、肉が切れる音がした。

振り返ると、竜の子が起きていて、先ほど逃がした兎の首に赤い点が何個か出ている。子竜は俺を見、ニタァっと笑う。


「おれっち、すげーだろ?」


あ、はい。


その後、俺はまた先ほどのキャンプに行く事にした。

その時、

「お前は、優しいのだな。」とまたあの声が聞こえた。

見渡しても誰も見えない、そんな中俺はただ単に苦笑いするしかなかった。

「俺が優しさを見せなきゃ、誰が見せるんだよ。」とかえす。

すると声は軽く笑い、「そうか、その優しさとは誰にでも向ける気なのか?」と問われる。

俺はその時思った、あ、こいつ今俺のことを測ってるな、と。

「成敗をふさわしくする者はやむを得れない、その為にこそ俺は戦う。」と答えた。

「なんじゃそりゃ、超厨二っぽいんですけど。」

ここでもう一つの声が聞こえた。先ほどみたく深くはない声であり、凄い軽い系の男子が喋っているかのようであった。

「おいお前今失礼なこと考えていただろ。」

ギクッ

また、深い声は笑った。

「よかろう、そなたに力を与える。ここからお前の物語は始まる。」


そう言われた瞬間、俺の視覚の角に異変が起きた。

右下の角に集中すると、そこには「デスティニー:ランク1」、そして「ストーム:ランク2」と書かれていた。

意思を使って「デスティニー」を選択すると、新たな文字が左下の角に現れた。


デスティニー:ランク1

幸運上昇

未解禁

未解禁

未解禁

未解禁


次にストームの方に集中すると、先ほどあったデスティニーのランクやらはみえなくなり、代わりに:


ストーム:ランク2

脳回転加速

念力

未解禁

未解禁

未解禁


え?


来た初日にもうランク2になっている生徒は聞いた例がない。普段ならば厳しい特訓、そして授業を通して自分のディエティーの理解をより深める事でランクは上がる。

しかし俺は何故か条件無しで上がれた。っていうか脳回転加速とかあったんだな、全然違和感感じていなかったら気づかなかったけど。

それで実際に念力を試そうと、近くの小石を念力で持ち上げようとした。

これがあまり上手くいかず、ビクとはするが流石に上がる事はない。

しかもこの魔法という物は、使っている時間の継続によって体力の消耗が激しくなっていく事も有り、10秒程度念力を維持する事が限界であった。


疲れたし、腹は減ったし、もうこれは寝て過ごすしかないと思い、先程の子竜を置いた木に戻り、まだ無事な事を確認した後、自分もそこで横になり、目を閉じた。


荒れた波、近くに落ちてくる稲妻。その中俺は小汚いボートに、見知らぬ女性と乗って、必死にボートにしがみついていた。

「ここで最後かもしれない。」と俺は女性に言った。

「神々が我らを離しても、決して運命に裏切られる事はないでしょう。」と彼女は微笑で言う。

俺も笑うしかなかった、最近本当に変に笑う機会が多いなって思ってしまう。

「じゃあ、俺たちは今離されても、来世でも必ずまた結ばれる事を俺は祈るよ。」と俺が言う。

彼女はなんか気むづかしそうにしながらも赤面になる。

何だこのラブコメ展開、と思いきや波がボートを揺らす。

その衝撃で彼女がボートかた落ちそうになった時、俺は彼女に腕を伸ばし、落ちるのを止めようとした結果、俺も一緒に投げ出された。

そのまま海へと一直線、ドボン、という音と一緒に俺たちは消えた。

数秒後、光と一緒に海の中から俺たちは出た。

俺の髪の毛が何故か光っていて、俺は宙に浮いていた。

腕には先程の女性をお姫様抱っこで抱えていた。

俺はそのまま空を切るように飛び、兎に角落ちてくる雷は直感で回避、しようとしても狙われているように俺はあたった。

そのまま意識はだんだん薄くなり、一番最後に覚えている事は、彼女が半分閉じている目で俺に微笑み、最後に言った言葉。

「愛しているわ、デスティニー。」

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