1章 八話 夜になりました
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隊長が新しく兵士2さんをを呼び、一緒に部屋をある程度元に戻し隊長さんは落ちているリュックの中身をリュックに詰める。
だが、地図だけはしっかり手に持っている。
そして隊長が兵士2に指示する。
「おい、聴取用の紙をすまんが取ってきてくれないか? 見つからないんだ」
道理でさっきからゴソゴソしてたのか。
「予備のをですね?」
「ああ、たしか倉庫に有った筈だ」
「了解しました」
そう言って兵士2は一瞬の内にドアから出て行った。
だけど一瞬とは言え開いたドアから冷たい風が入り込んでくる。
足が冷えてきそうだ……。
そんなことを考えていたからか、風で鼻が刺激されたのか。
「ハックション!」
と、クシャミが出てしまう。おまけにピロンと鼻水が出てきそうだ。
オマケに鳥肌まで立ってきた。
「……寒いのか?」
隊長さんが聞いてくる。
「はい、寒いです」
すると隊長さんが毛布を持って来てくれた。
「これしかないが」
「あっ、ありがとうございます!」
隊長さんやさしい人だな。
そして毛布をかけてもらったのだがどんな仕組みだと思うほど最初から暖かく暑くも寒くもない。
何だこれ、こんなのを隊長さんたちは持ってるのか。
ふと思う、隊長さんはこれが無くても寒くないのか? 聞いてみよう。
「隊長さんは寒くないんですか?」
「大丈夫だ、これぐらい門番をやっていたらいつもの事だ」
すごいや隊長!
「…ん? 隊長? さっきの聞いてたのか?」
「ばっちり聞こえてきましたよ?」
危険人物とか言われてたのもねぇ!
隊長が喋ろうと口を開こうとした所で、バン! とドアが力一杯に開かれ、兵士1さんが戻ってきた。
「ただ今戻りました!」
だが、いきなり隊長が叫びながら椅子から凄い勢いで立ち上がり、座っていた椅子が後ろに倒れる。
「貴様! 部屋で使うなとあれほど口を酸っぱくして言ったのにまだわからんか!」
口を酸っぱくってどう翻訳したらそうなるんだ?
「あっ……いやぁ……そのぉ……」
しどろもどろに成りながらも喋ろうとする兵士1さん。
だが容赦しない隊長さん。
「言い訳と口答えはするなよ! 理由はどうであれお前の毛布は今日だけ無しにする!」
言い訳はいいわけがないようです。
「さ、流石にあの寒い見張り台で毛布無しはキツイです! 隊長!!」
見張り台……たしかに寒そう。
「自業自得だ、そんな事よりちゃんと伝えてきたのか?」
「伝えてきましたがもう夜なので明日になるそうです」
夜なので!?
「そうか、もう夜か」
隊長、それでいいんですか? それともこっちの常識なんですか?
「では隊長、見張り台に行ってきます」
寒いと思うけど行ってらっしゃい。
「寒いと思うが頑張れよ」
まさかのシンクロ。
「ハハハ……頑張ってきますよ」
顔に元気が無いですよ兵士1さん。
そして兵士1さんがドアを開けると「おごっ!」と、声と音が向こう側から聞こえてくる。
どうやら向こうの誰かに、ドアをぶつけてしまったようだ。
「……大丈夫ですか?」兵士1さんが相手に声をかける。
そして出てきたのは、なんと兵士2さんだった。
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