1章 六話 七話
続き読んで貰って感謝です!
以下タイトル
六話 謎能力
七話 町についたぞ!
今さっき見つけた能力。
【首作成】
……なぁにこれぇ、まるで意味がわからんぞ!
まぁこんな時の鑑定だ、使ってみよう。
【鑑定】!
【首を作る能力】
説明になってない……試しに使ってみようかな。
【首作成】!
ステータス使用時のように目の前に字が表示される。
【作成する首を選択して下さい】
【登録されている首】
【固体名 谷崎 誠也 の首】
【この首を作成しますか?】
……僕の首!? ノーだノー! 怖いわ!!
手を文字に突き出しかき消すように振ると目の前の字が一斉に全て消えて無くなる。
……とにかく、町に急ごう。
――――
町についた頃には辺りが暗くなる一歩手前だった。
やっと町についた、ひいこら歩いて足がガクガクだ。
あとは門をくぐるだけだ。
町に入ったら休める場所で休もう。
そんな事をぼんやり考えて門をくぐろうとしている僕を。
「待て!」
その一言と肩に置かれた手が引き止める。
いきなり後ろから触られてビクッとした僕を見た兵士さん? が。
「貴様……怪しいな」
と、そのまま無理矢理荷物を全部取られながら門の近くの小屋の中に連れられてしまう。
抵抗しようにも兵士さんの力が強いので椅子に縄で縛りつけられてしまう。
……何でこうなった。
「あの、何でこんな事されないといけないんですか?」
兵士さんに勇気を出して聞いてみる。すると兵士さんはため息をつくと叫んだ。
「剣片手に町へ入ろうとする不審者を止めないとでも思っているのか!」
ごもっともです。
ぐうの音も出ない僕を見ながら兵士さんが「それで貴様はなぜ、剣片手に町に入ろうとした?」と聞いてくるので「単純に剣を仕舞うのを忘れていました」と答える。
「…はあ?」
大きく口を開けちゃうほど予想外だったらしく叫ぶ兵士さん。
「そんな馬鹿な話があるか! 仕舞うにしても鞘はどうした鞘は! 荷物に入っているのか!」
そしてリュックを逆さにされ中身を机の上にぶちまけられ散らばる荷物。
「ん? この地図は…」
兵士さんは机の上に落ちた地図を見た途端「おい貴様、この荷物をどこで手に入れた?」と詰め寄って来る。
「ちっ、近いです! その地図は、村の跡地で手に入れたんです!」
圧迫感が凄い! 離れて!
思いが通じたのか離れてくれるが仲間を一人呼んで何やら話しをしている。そして話し声が聞こえてきたのだが。
「隊長! お呼びでしょうか?」
隊長!?
「声が大きい、静かにしろ」
隊長さんも声十分に大きいです。
「了解です、隊長」
声を抑えたみたいだけどまだ聞こえる。
「トズ村のあの地図が見つかった」
ああ、あの地図の話かな?
「ほっ! 本当ですか!?」
驚く呼ばれた兵士1さん、そんなに驚くものなのかな? この地図。
「大声を出すな、それで地図が見つかったと伝えに行ってほしい」
どこにだよ。
「了解しました」
分かっちゃうの!?
「では頼んだぞ、俺はこのままあいつと話を続ける」
ああ、開放されないんですね。足が痛い……。
「ところで、あいつ誰なんですか?」
今更!?
「行方不明の地図を所持していてさらに剥き身の剣片手に町に入ろうとした危険人物だ」
言い返せない……。
「それは……危険人物ですね」
そんな目で見ないでください!
「それよりさっさと行って早く伝えて来い」
隊長さんが小屋のドアを指差す。
「では、速攻で伝えに行きます」
そう言った瞬間兵士さんの姿が掻き消えドアが凄い勢いで開き風で部屋が滅茶苦茶になる。
「「うおっ!」」
僕と隊長さんは声を上げ、僕の顔に風が叩き付けられ座っている椅子が少し揺れる。
隊長さんが台風が通ったような部屋を見ると顔を上に向け手で目を覆いため息と言葉を吐いた。
「……まーたやりやがった」
……お疲れ様です。
リュックのチャックっていつの間にか開いてますよね。