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工事中

工事中

ええぇ…それって心読んでるんじゃないの!?


「いえ、違います、聞こえるんです」


うお、読まれてる

「…同じ事じゃないんですか?」


「全然違いますよ、聞きたくも無いのに勝手に聞こえるんです、しんどいですよ?」


「ああ、なんとなくわかりました」

うるさいんですね


「まあ大勢いたら気持ち悪くなりましたね、今は慣れましたが」


「慣れちゃったんですか」


「慣れちゃったんです」


「それで貴方が撮影の時に考えてた事なんですがね?」


あ、聞かれてたのか


「バッチリ聞こえてますよ」


思考読めてもそれに返さないでくださいよ


「すいませんねちょっと不器用なもんで」


他にも聞いてた時は返さなかったのに?


「すいませんね変に不器用なもんで」


お姉さんがニヨニヨ笑ってこっちを見てくる

…イラッとくるぜ!


「ごめんなさいね、もうやりません」


本当かな?

本当に?

本当に本当?



…本当に反応しない


「それで、正直言って貴方を魔物退治に行かせるのは反対です」


急に話変えるの止めてよお姉さん

「何でですか?僕が行くのに反対の理由を教えてください」


「単純に危険だからです、体力回復がどんな物か知りませんがたとえ同じ再生能力でも貴方を危険な目に合わせはしません」


「危険な目に合わせないって、そんなに魔物退治って危険なんですか?」


「まぁ一人だけなら明らかに危険ですね」


「ん?では一人で無かったらいいんですか?」


「そうですね、あの三兄弟と一緒に行動して安全を第一に考えると約束してくれるならOKを出さない事も無いですね、

それに貴方にはここの生き方を理解してもらう必要がありますから」


「じゃあ「ただし!」…なんですか?」


「無事に帰ってきてくださいね、貴方は貴重なんですから」


貴重って何だよ


「何だと聞かれると貴方は転移人であり、契約者でもあるからです、両方共に滅多にいないので貴重なんですよ」


「そもそも契約者って何ですか?それに僕は契約者に仮付いてるから契約者じゃ無いし、契約者が他国に知られたら国が消えるってお姉さんが言ってたの聞こえちゃって正直怖いんですけど、僕何にもしませんよ?」


「知ってます、あなたが契約者の事を聞いてたのも聞こえてましたから」


やっぱり考えてる声が聞かれてるってのは結構イヤだね、さっきも自然に返してきたし 

「契約者の事は普通に聞こえたんです、聞きたくて聞いたんじゃありませんよ」


「それでも聞いたからには拘束しないといけないんです、けどよく聞こえましたね、限りなく小さい声で喋っていたのに」


「それが僕を閉じ込めた原因ですか、あんな仕打ちするのはかなり酷いですよ、あと普通に聞こえてましたからね、全然小さくなかったですよ、声」


「あなたが逃げ出す可能性もありましたからね、後今喋ってるのが聞こえたなら貴方の聴力は常人より遥かに上ですね」


「別に逃げたりしませんよ、それに普通に聞こえますから冗談は止めてください」 冗談はよしこさん!


「それでも逃げないようにしないといけなかったですし事実貴方鎖と鉄格子破壊して脱走してますよねぇ、それで私の仕事が増えたんですよ、まぁ丁度交換の時期だったので壊した物のお金は請求しませんけど、あと冗談ではありませんから」


そんな事言われても覚えてないしやろうと微塵も思ってなかったよ


「『覚えてない』じゃないですよあなたの所為で仕事増えたんですよ!?それで『おや?どうしたんだろう?』って反応はちょっとどうかと思いますがね」


「本当にごめんなさい、でも何さり気無く心の声聞いてるんですか」


「いやぁ、今じゃ聞かないと落ち着かなくなっちゃって」


「聞こえてないと不安になっちゃうんですか?」


「まぁそう言う事ですね、あと聞こえると言えばあの子から声が二つ聞こえた時がありましてね、その時からちょっとあの子が苦手になっちゃったんですけど貴方の話を聞いて納得しました、変な事もあるもんですね、一人の体にもう一人が入ってさらに容姿もそっくりになるなんて」


まあ入ったのはこの世界の神の仕業ですけどね、容姿は確かに気になりますわ


「…まってください、貴方今なんて思いましたか?」 お姉さんが焦ったように声をかけてきた


「容姿は確かに気になります?」 僕はカードを手で弄りながら答えた


「少し前!」


「神の仕業ですけどね?」


「それです!その『神』とはなんですか?教えてください!」


…神を知らないんですか?


「知りません!」


宗教で大体分かると思うんですけどね


「その『宗教』とやらもなんですか?」


…もしかして宗教って存在しないんですか?


「『宗教』が分からないので存在するかどうか自体分かりませんね」


うーん、どう説明したらいいかな

「空想上の『神』と言う物?を崇めてるって感じですかね?僕自身もよくわかりません」


「その『神』と言う物の説明も詳しくお願いします」


うーん、どう言おうか

「この世界を作った存在とか人間を作った存在とか言われてますね」


「ほうほう」


「詳しい事は僕にも分かりません、色んな所に色んな考えがありますからね

僕のいた所では神様がどんな物にも宿るって考えだったんですよ

他の所の知ってる考えでは神は唯一無二って考えがあるみたいですけどね」


「で、その神の仕業とはなんですか?」


「いえ、僕も分かりません」


「では何故わかるんですか?神の仕業だと」


「神様に教えて貰ったんです」


「…その神様に自分がやったと教えて貰ったのですか?」


「いえ、『した神』と『教えてくれた神』は別です」


「ほぉう」


「それと転移人はその教えてくれた神様が転移させてるんですよ」


「…はぁ!?」

お姉さんが驚愕の声を上げると固まってしまった

固まってはいるが伝えないといけない事を思い出したので気にせず話を続行する


「それでですね、その『した神』がですね、なんでも世界を「もういいです!」え?」


「後でその転移人うんぬんを聞きますから今は戻りましょう、お喋りしすぎです」


お姉さんは自分の頭をコンコンと叩きながらドアから出て行ってしまった


僕はお姉さんの後ろを来た時と同じように追いかけギルドのカウンター前に戻った



―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



ギルドの入口に戻った後には列が無くなっていた

そしてもう罰金を払ってくれた後のようで男性Aさんがリュックを僕に渡してくれた、カリムはとっくに起きて金属を売って得たお金を住んでる所に持って帰ったらしい

そしてお姉さんが僕がお金を返すと言う事を男性三人に伝えると快くOKしてくれた

その後男性三人が魔物退治で汚れた体を洗うためにギルド員しか入れない浴場に行くと言ったらお姉さんがギルドの施設を理解して貰うために一緒に行動するように言われた

それはつまり一緒に入れと言う事?とお姉さんに聞くと肯定された

変えの服などを持っていないと伝えると用意してくれた

施設を使う時にはギルドカードを見せればOKらしい

基本的にギルドの施設を利用するには使用料がいるらしいけど僕のギルドカードはそれが要らないようになる特別物らしい(ちなみに僕専用とも聞いた)


カウンターの右側にある通路に入ってすぐ右がお風呂のエリアでギルドカードを預けると荷物を入れるロッカーの鍵を貰ってお風呂に入った

よく考えたら転移してから初めてお風呂に入るなと思った、不潔である、しかし遠出するとそんなに入れないのは普通と男性Aさんに言われた

お風呂には列に並んでいたと思われる人達が入っていた、お風呂には石鹸などがあったのでそれで体を綺麗にしてその後暖かい湯船に入っていたらのぼせそうになったので入り口のベンチに居ると男性Cさんに声をかけてから外に出て新しい服を着て、元々着ていた服をリュックの中に入れて鍵を返してカードを手に入れてからギルド入口のベンチで男性三人を待った


男性三人を待ってる時にお姉さんの声と隊長さんの声がカウンター辺りから姿が見えないのに聞こえてきた


「断りも無く勝手に連れ出すとは、勝手にどこかに行ったのかと焦りましたよ」


「それについては謝ります、ですが彼の重要性を分かってますよね、貴方は分かるはずです」


「そう言う話ではないんですけどね…、まぁいいですよ無事が分かって何よりですよ、だけどコレっきりにしてくださいよ?このギルド支部の支部長さん?」


支部長?


「そう言う貴方も隊長なんですから彼が居ないって大声を上げてうろたえるのはちょっと」


「…その心の声に返すの止めてくれませんか?」


「いや、もう小さい頃から聞いてたら貴方も私みたいになりますよ?」


「それを言うなら嘘が分かってしまうってのも結構キツイんですがね?」


「貴方のは厳密に言うと嘘が分かるのではなくて『人の言葉を聞くとその言葉が嘘か真実かの判断がされる』ってやつです、それはその言葉を喋った人の正常時を知らないと使えないしさらに当人が嘘と思っていなかったら全く反応しないのでしょう?」


隊長さんウソ発見器みたいだな。


「門番やってたらそれなりに役に立つんですよ、私はもう帰りますが貴女のその性格どうにかした方がいいですよ?」


「貴方こそもっと冷静になったらどうです?」


「私が急に冷静になったらどう思いますか?」


「頭でも打ったのかと思いますね」


「だからこのままでいいんですよ、それでは」


そう聞こえたらカウンターの奥のドアから隊長さんが出てき、その体の隙間からお姉さんがチラりと見えた。

隊長さんは僕に気づく事は無く小走りで外に行ってしまった。

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