1章 五話 家から出よう
続き読んで貰って感謝です!
神様の作った翻訳機で字が読めるようになったようなので紙に書かれている文を読んでみたのだが。
【カリムとサリへ】
【父さんはギルドの依頼で急に出かけることになりました】
【何かあったら村の人を頼って下さい】
急いでいたからなのか文字自体の形は少し崩れていたが、難なく読めることができるようだ。
ここが小屋なら近くに村があるのか?
それなら人がいるかもしれない。
淡い願いを持ちドアを探して開けるとそこには建物の一部とも思えなくもない残骸が辺り一面に散らばる風景であった。
その光景を見た僕は叫んだ。
「近いし村の跡地じゃねぇか!」
ドアから少し外に出て辺りを歩くが建物の残骸が多く、村の跡地の中ではあの家のように無事に建っている建物は少ない方だった。
そして僕はさっき新しく発見した建物の中に入ってぐるりと見渡すと壁に珍妙な模様が見える。
それをじっくりと見てみるとどうも小さい正方形で構成された絵柄を揃えるパズルのようだ。
近くに飾ってある絵と一部が一致しているので見ながらやれば出来るだろう。
パズルをカシャカシャと移動し絵と同じように揃えると近くの壁が音を立てて開き、中には丈夫そうな剣と地図と袋に入って手のひらサイズの長方形の金属が入っていた。
「剣……と、金属と地図かな?」
このあたりの地図だったら嬉しいね。
でももしそうだとしても地形を知らないから使いにくいね。
金属と地図をリュックにしまい、剣は入らないので手に持つと少し重く感じ、僕はよろめいた。
流石にこうも動いていると喉が渇いてきた。
家の中に水でも無いか漁っていると、大きな壺を見つけた。
「み、みず……」
蓋の上に乗っている柄杓のような物をどけて蓋を開け飲もうとするが。
「飲めるのか……これ」
水の中に緑色の何かが浮かんでいる。
「こんな時の鑑定か
物は試しと思い、僕は即座に鑑定を発動させてみた。
【鑑定】!
鑑定を使用するといきなり目の前に文字が表示される。
「うおっ!」
僕は驚きビクリと体を揺らしてしまう。そして目の前の文字にはこう書かれていた。
【少し濁った水 危険度小】
うん……流石に飲む勇気は無い、無理無理。
だがそれ以外に水は見つからない。
そこで僕は最初の家に戻り、布を探す。
結果、見つかったのはタンスの隅に残っていた少しの服と新品のタオル3枚だった。
ついでに木のコップとあの手紙を持ってきた。
柄杓を使い、出来るだけ綺麗な水だけをタオルでろ過し木のコップに水を入れる。
こうして出来た水の鑑定結果がこちらだ。
【水 危険度極小】
やった! これでやっと飲めるよ!
心の中で喜びながらコップに溜まった水を腰に手を腰に当て、一気に飲み干す。
渇いた口内と喉には美味しいが少し微妙な味だ。
あとはろ過した水をろ過に使ってないタオルに染み込ませ、それを服で包んでリュックの中、地図等とは別の場所に入れる。
これで、タオルを吸えば水が出るわけだ。
水を飲んで一息ついたところで地図を取り出し見てみるがやっぱり分からない。
それどころか地形すら合ってない気がする。
一体どこの地図なのか……【鑑定】!
【トズ村周辺の地図】
まさかそこまで詳しく出てくるとは……結構使えるかもしれない。
そうだ、この村ごと鑑定したら村の名前、分かるかもしれない。
【鑑定】!
【トズ村跡地】
おお! もっとやるぞ!
――――
鑑定で分かった事。
一、この村ははトズ村。
二、地図は今現在の所、正しい。
三、鑑定凄く便利。
そしてこれで村を出る準備は整った。
実は地図を見てみると町があるのを発見したので、地図を見ながら現在進行形で町へ歩いています。
ただ歩いてるだけでは暇なのでステータスを見てみようと思い、【ステータス】を発動すると目の前に字が表示されたので、僕は立ち止まってじっくり見てみることにする。
【体力自動回復(微)】【鑑定】【分解】【ステータス】
ここまでは、良かった。問題はこの能力。
【首作成】
……なぁにこれぇ。