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1章 二十七話 なんだって! それは本当かい!?

続き読んで貰って感謝感激雨霰です!

 ドアを開けると約二十人ぐらいの団体が門に向かって来ていた。


「どうだ? 居たか?」

「よく見えない」

 カリムに聞いてみるとそう返ってきた。


「……なら肩車しようか?」

「お願い!」

 カリムに聞いてみると元気な返事が返ってきた。

 僕はしゃがんでカリムを肩車する。


「見えた?」

「うーん…………あっ! 見えた! いたよ!」

 よかったよかった。


「じゃあ下ろすよ」

 よっこいしょ、一つ言いたい『ついてた』いや、ついてるのがあたりまえの体なんだがこの顔で付いてるのは違和感しかない。


 そんな事を思いながらカリムと手を繋いでると団体が門に近づいてきた、兵士さん達が団体に近づいて行き何か話をし始めた。


 それを眺めてると不意に後ろから背中をトントンと叩かれた、何かと思って振り向くとそこにはなんと兵士2さんの姿が。


「……なんで出てきたんですか?」

 しばらく間を空けながらも兵士2さんの質問に僕は答えた。


「……カリム君がお兄さん達に会いたいって言ったので」


「お兄さん達?」


「何でも一緒の村で住んでた人達が登録者なんですって」


「ああ、登録者ですか、それなら待っててくださいね、時間かかるんで」

 指し示された方向を見ると団体が門の前で行列になっていた。


「出て行ったのと帰ってきたのを記録してるんですよ」


「へえ……」


「まあ滅多にしか帰ってこない事あるんですけどね」


「滅多にはあるんですか!?」


「うん、本当に滅多に無いから、ここ十年の中で一桁ぐらいだよ」

 そんな話を兵士2さんとしていると門、つまりここに兵士1さんがギルドのお姉さんと一緒に歩いて来た。


 ギルドのお姉さんがこっちを見て挨拶してきた。


「あら、こんにちは」

 それに返す僕と兵士2さん。


「「こんにちは」」


「あら? その子達は……!?」

 お姉さんは僕とカリムを見ると顔を少し歪ませた。


「どうかしましたか?」

「いえ、何でもないです、何にも」

 僕はどうしたのかと思いとお姉さんに聞いてみると焦ったような反応が返ってきた。


 おや? どうしたんだろう? と思うとお姉さんの顔がさらに歪んで怒ってるように見えてきた。


 何か怖いので顔を団体の方に向けると団体の中から他の団体の装備よりも良さそうな装備をした男性が一人出てきてお姉さんに近づいてきて口を開いた。


「報告します、誰も減っていませんし群れも完全に消しましたし目立った損害もありません。つまり無事に終わりました」


 ……無事ってのはいいけど消したって言い方怖いんだけど!


「そうですか、よかったです。こっちはまだ少しやる事があるのですぐ戻りますから全員ギルドに戻っていてください」


「わかりましたでは皆に伝えていきます」


 伝えようと団体の方へ向かう男性をお姉さんが呼び止めた。


「あっ! ちょっと待ってください!」


「何でしょうか?」


「あの中でトズ村に住んでいた者にここに来るように言っておいてください」


「わかりました、それも追加ですね」


 男性は伝えられた言葉を団体に伝えてその団体は町に入る団体と、ここに来る男の人三人に別れた。

 男の人三人の特徴は『体が大きい人(男性A)』と『メガネをかけてる人(男性B)』と『普通そうな人(男性C)』だ。


「何か用でしょうか?」

 男性Aさんがお姉さんに話しかけてきた。


「トズ村の荷物と地図が見つかりました」

「なんだって、それは本当ですか!?」

 お姉さんが返したその言葉に男性Bさんが反応した。


「ええ、本当です。こちらの方は転移人でしてこの方が荷物を持ってこの町に入ってきたんです」

 そう言ったお姉さんは僕を手で示すとそう喋った。


「貴方が噂に聞いてる転移人か」

 男性Bさんが僕を凝視してくる。


 そんな僕を男性Cさんが僕の手を見て聞いてきた。

「……けどなんでカリムと手を繋いでるんですか」


 それはですね……。


――――――――――――


 小屋の中に入り僕らは椅子に座って、三人に説明をしたら三人で話し合い始めた。


「……にわかには信じがたいね」

 男性Bさんが頭を斜めにしながら呟き、それに対して男性Cさんがこう返した。


「でも昔確かカリム言ってたよな、『姉がいる!』みたいな事」

 おそらくカリム君がばらした時の話だろう。


「あーそう言えばそんな事あったなぁ」

 男性Aさんがと懐かしむように目を閉じながら頷いた。


「懐かしいね、何年前だっけ?」

「確か……三~四年前ぐらいじゃなかったっけ?」

 男性Bさんの疑問に男性Cさんが返した。


「あの時はそれなりに平和だったなぁ……」

 男性Aさんは未だに懐かしんだままの状態で頷いていた。


「あの時は平和って何かあったんですか?」

 僕は三人に聞いてみるとその質問の答えは男性Bさんが返してくれた。


「うん、二ヶ月前の話だけど住んでた村にデッカイ魔物が原因で村が無くなったんだよ」

「えっ……」

 驚きで声が出ない。


 そこからの村の説明は男性三人がACABABCの順に喋り始めた。

「うん、確か最初未知の魔物を確認したからそれ調べるのにカリムの親父さんがギルドから頼まれて行ったんだよ」

「で、その魔物が強くて村に来てしまうって話になって俺らが町に助け呼んだんだよ」

「俺らは町のギルドに助けを求めに行けって言われてそれで町にいたから無事だったんだ」

「でもギルドが付いた時にはもう村の建物が殆ど消えてたんだって、防衛用の仕掛け組むって村の皆言ってたのに結局無意味だったんですよね」


 家が二軒残ってたのは実は凄かったのか……。


「それでな、ギルドから聞いた話だと到着時には魔物が二本の頭で村にあった食料とか丸呑みしてたんだってな」

「とどのつまり僕らと馬車以外は全て村と一緒に消えたってわけです」

「けど助けを求めに行くにしてはお金とか色んな物を多く持たされてたから多分こうなる事予想してたのかなぁ……」


「……で、その魔物はどうなったんですか?」

 僕は魔物のその後を聞くと男性Cさんが伝えてくれる。


「たしか……頭と羽と足と尻尾切り落としてなんとか撃退したらしいんだって」

 男性Cさん、それはもう魔物ではなく化物だと思います。


「その魔物はそれが原因で撃退できたら上出来のレベルに分けられたんだって」

 どんだけなんですか。


 そんな話をしているとギルドのお姉さんが剣と僕のリュックををテーブルの上にドサリと置いた。


「お話はそこまでです、こっちの話もさせてください。あと魔物の事補足しますけど姿は『六本の足と羽が四つあって体から長い首が二つ生えてその先に頭が付いてて尻尾が三つ』で、切り落としたのは『片方の頭と羽一つと足二つと尻尾全部』です」


 それでも十分おかしいんですけど……。


「それで、あなた方三兄弟はトズ村の出身で間違いないですね?」

 兄弟!?


「はい、そうです」


「貴方達以外のトズ村出身の登録者はいませんね?」

「はい、いません」


「この荷物は入れ物以外は村の物です、しかしこの荷物はこの方が罰金を支払ってくれるまで預かっています」

 『何やってるんだ』って目で三人がジロリと見てくる。


「そこで貴方達が代わりに払ってくれれば貴方達に渡します」

 僕のリュックは返してくれますか?


「……まだ今回の報酬貰ってないからそんなにお金無いのと中身分からない物にお金は出せませんよ?」

 と男性Aさんが返す。


「なら取りあえず中身を見てみましょうか」

 そう言うとお姉さんがリュックを逆さにして中身を出す、出てきたのは服とタオルと手紙と金属、そしてトズ村の地図。


 出てきた物を見た三人は何の反応も示さずにお姉さんが何故か目を大きく開き金属を凝視している。


「……どうしたんですか?」


 固まっているお姉さんの目の前で手をヒラヒラさせるとハッとした顔になった後、僕と三人の顔を見てからテーブルの上の金属を手で持って頼み込んできたのだった。


「これを買わせてください、お願いします!」

いい仕掛けだ 丈夫そうだな だが無意味だ(壊)

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