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1章 二十話 隊長視点

続き読んで貰って感謝です!

今回は隊長視点です


 何でこうなった。

 目の前で寝ている転移人を見ながらさっきまでの事を思い出す。


――――――――――――――――――――――――――


 転移人が持っていた剣を持っていると、部下が何故持っているのかと聞いてきた。


 「ああ、どうにも違和感があってな、その違和感が気持ち悪いから持って考えてるんだよ」

 「え? 鑑定したらどうかって?」

 「もうやったんだよ、鑑定してみても【普通の剣】、所有者をみても【普通の剣】誰だっておかしいと思うだろ?」

 「それに持たれたくないと拒絶されていると思うぐらい手に馴染まない、俺の睨んだ所じゃ見た目通りでは無いと思うんだ」

 そんな事を喋っていたら何者かが襲い掛かって来た、とっさに持っていた剣で防御したが手が痺れた。


 今は邪魔な剣を遠くに放り投げる。


 襲い掛かって来た人物を確認すると、なんと地下に保護していた転移人だった。


 しかも何故か転移人の体格が歳相応の大きさになっていた。


 まるで今まで成長していなかった分が一気に成長したかのように。


――――――――――――――――――――――――――


 転移人に喋りかける。


 「落ち着け! 落ち着くんだ!」


 だがその答えは「絶対に許さねぇ!」の一言と打撃で返ってくる。


 「何が許せないんだ!?」


 打撃を回避しながら再度問いかけると「俺にこんな苦しみを味わわせやがって!」と答えてくる。


 一体何が苦しかったんだ?


 疑問に思うが今は考える暇が無い、門周りに野次馬が集まっているのだ。このままだと周りに危害が及ぶ、仕方が無い。


 「皆! コイツを取り押さえるのを手伝ってくれ!」


 部下達に指示を出す。


 「了解です! 隊長!」

 返事をしながら転移者の周りを取り囲む部下達。


 「聞け! 俺があいつの動きを抑える! その間に全員で一斉に突撃してあいつの動きを完全に封じるんだ!」


 動きを止めてからあの術を使えば止める事ができるだろう、そもそもあの術は戦闘向けじゃない。


 確実に眠らせる為だけに特化させているから集中時間が掛かる、さらに有効範囲が短くオマケに効果が出るまで時間がかかる。


 「行くぞ! 皆!」


 転移人に突撃して行く私。

 それを見守る部下達。


 転移人がこっちに横蹴りを繰り出してくる。


 私はしゃがんで蹴りを避けてそのまま足を掴もうとするが転移人は蹴りの勢いを殺さずその場で一回転し(かかと)で攻撃して来た。

 私は転移人の懐に飛び込み足の付け根を持ち攻撃を止めるが転移人の手が握られた状態で私の頭上に振りかぶられる。

 このままだと頭に一発貰うだろう、私は転移人の股下を潜りそれを回避する。

 そして転移人を後ろから押し倒す。


 「今だ!」

 その言葉が発された時にはすでに部下達は動き出しており転移人の体を次々に押さえる、そして私は息を整え転移人に向けて術を発動させる。


 「睡眠(スリープ)!」


 術は効いたようで静かな寝息が聞こえる。が、転移人の体が動き出す。


 「何!?」

 術の掛かり方が甘かったか!? また暴れられる! そう思ったが何故か暴れない転移人。


 「ん? ここどこ!? 何でこんな事になってるの!?」

 ……どうやら自分の状況が分かっていないようだ


 「お前、さっきまでの行動覚えてるか?」

 「へ? ……あー多分寝てました、それよりこの状況どうなってるんですか? 動きにくいんですけど」

 「……暴れないよな?」

 無いとは思うが一応聞いてみる。


 「何で暴れるって言う発想になるのか意味が分かりません」

 ……嘘じゃないな。


 「……皆、離してやれ」

 部下達に命令すると転移人の体から離れる部下達。


 「……何で外に出てるんですか?」

 「……こっちが知りたい方だよ」

 どうやってあそこから脱出したんだ?


 転移人が体を軽く動かしていると転移人が聞いてくる。


 「あの、手首に何かくっ付いてるんですけど、これ何ですか?」

 転移人の手首に嵌めていた枷についている鎖が途中で切れている。

 お前本当に何したんだよ。


 「取り合えず、門の近くの建物の中に入ってくれ」

 だが転移人は聞いている様子が無い、転移人の視線が野次馬の中の何かに釘付けになっているようだ。

 何かあるのかと野次馬を見ていた隙に転移人がダッシュで野次馬に向かって走る。


 「あっ! 待て!」

 叫んでしまうが周りにいた部下達がタックルして動きを止める。


 「離せ! 離せ!」

 転移人が叫ぶが誰が離すものか!


 「黙ってろ!」

 転移人に近づき術の用意をする。


 「日織(ひおり)!! お兄ちゃんだぞ!」

 「睡眠(スリープ)! ……え?」


 言葉が被ったがはっきりと聞き取れた。

 術を止めようとしたがもう遅い。

 そこにはぐっすり寝ている転移人の姿が!

――――――――――――――――――――――――――

 寝ている転移人を担いで建物内に運び入れる。

 ……なんでこうなった。

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