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1章 十八話 今更な話

続き読んで貰って感謝です!

「ごちそうさまでした 美味しかったです」

 一言だけ、スープはさわやか青汁味だった。


「ありがとうございます、回収するので隅に寄ってください」

 兵士2さんに言われるが、僕は動かなかった。


「……どいてください、今度からご飯抜きにしますよ」

 それは勘弁して。


「僕は話を聞いて欲しいだけなんです」

「……何ですか?」


「さっき思ったんですけど、僕別に拘束される理由なんて無いんじゃないですか?」


「…今更ですか!?」

 耳を塞ぐ、兵士2さん声が大きいです。


「さっきご飯食べてた時に思い出したんです、うっかり町に刃物持って入った件ならもう終わる雰囲気でしたよね、拘束される必要性があるんでしょうか?」


「えー……隊長が『重大事件の重要人物の可能性がある』と言ったので……」

 兵士2さんが明後日の方向を見ながら答える。


「おかしいって思わないんですか?」


「思う事は思いますけど私でどうこうできる事じゃ無いんですよ」

 そうなのか……。


「それより早くそれ回収させてください、早く寝て明日に備えたいんですよ」

 すみません。


 僕は後ろの壁まで下がる。

 兵士2さんがトレイを持って一つ目の檻から出て鍵を掛ける。僕はそのタイミングでお礼を言っておく。


「……ステータスの使い方教えてくれてありがとうございました」


 兵士2さんが一つ目の檻と二つ目の檻の間で止まる。


「……どういたしまして」

 そう言いながら兵士2さんはズボンのポケットから丸い物を取り出すと。


「……この人工魔石を次まで貸しておきます、ここは寒いのでこれを使って暖を取るなり暇を潰すなりしてください。あとは壊さないでくださいね、結構高いんですから」

 兵士2さんはそう言って丸い物体を檻の中に置いて、トレイを持ちながら檻から出て行くがちょっと待って欲しい。


「すいません、これってどう使うんですか?」

 使い方知らない物渡されてもどうしようもないよ。


「……そうですよねぇ、使い方知らなくて当然ですよね」

 兵士2さんはトレイを置いてこっちに戻ってくる。


――――――――


「人工魔石の使い方教えてくれてどうもありがとうございました」

 初歩の初歩な使い方だけ教えて貰った。


「まあ、どっちかって言うとさっき言った魔素の操作です、頑張ってくださいね」

 頑張らないと寒い思いするのでむしろ頑張らないといけないんですけどね。


「はい、頑張ります。おやすみなさい」

 石を持っている手を兵士2さんに向かって振る。


「では、おやすみなさい」

 兵士2さんが左に消えて行って唯一の光も一緒に左へ消えていく。


「……まず何をしようか」

 手に持った人工魔石を弄りながら考える。

 さっきまで寝ていたから起きている時間はたっぷりある。

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