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頭をよくする方法 ――あるいは科学ではなぜ式やモデルを作るのか――

 「頭をよくする方法」というのは、誰でも知りたいと思います。これ、結論だけを言えば、とっても簡単なことです。結論だけで言えば。

 その結論とは「チャンクの数を増やせ」というものです。


 チャンクとは、一時に頭の中に置いておける情報とかの単位だと思ってください。その情報が単純なものであっても、複雑なものであっても一つのチャンクになりえます。たとえば、乱数だともしかしたら一桁一桁が一つのチャンクを占めるかもしれません。あるいはあなたの友人というチャンクとして膨大な情報とかが入っているかもしれません。


 「マジックナンバー7±2」という話を聞いたことがある人がいるかもしれません。あるいは「一つの文の中に、『私』とか『彼』とかが出てきて理解できるのは5つくらいまで」という話もあります。おおざっぱな話としては、そういうものをチャンクとここではしておきます。7と5ではズレがありますが、それが何でかは知りません。ですがおおまかな話として、それの数を増やせれば、一時に考慮に入れられる要素が増えます。


 ですが、増やした所で所詮有限です。有限という言葉でも大きすぎるかも。増えてもせいぜい10個あれば、「凄いよね」という話です。どう考えても、「世界」を理解するには足りそうにありません。

 じゃ、どうしたらいいか。

 答は簡単です。一つのチャンクを占める内容が豊かになれば状況がかなり変わります。乱数の一桁ではなく、あなたの友人というように。


 科学ではなぜ式やモデルを作るのでしょうか。もちろん、「なぜそうなっているのかの背景にあるもの」を知りたいということもあるでしょう。それとともに、対象について理解する際に占めるチャンクの数が減れば、他のことも考慮に入れられるという面もあります。ま、後者はある程度、結果論ではありますが。式やモデルを作るのは目的ではなく、ずーっと続くその先への一歩だと思うと、結構いいかもしれません。


 で、その一つのチャンクの内容を豊かにする方法は…… 勉強しかありません。

 今回のエッセイに限りませんが、私が書いているものはだいたい一つのチャンクを形成して、そこから書いています。変な言い方をすれば、目の前に浮かんだものを打ち込んでいるだけ。個人的な傾向としては、1000文字から2000文字くらいが一つのチャンクになるみたいです。だから、「あー、もう、打ち込みに時間かかるばっかだ」とか思ったりもします。だいたいの人がそうですよね?


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