太陽系は狭く、宇宙は広い
えーと、まずこの表(?)から。
太陽から惑星などの公転軌道までの距離。公転軌道は多少なりとも楕円だったり、きっちりどれくらいとはいえなかったりしますが、ここでは平均の公転半径を使い、また単位は天文単位であるAUを使っています:
水星: 0.387
金星: 0.723
地球: 1.000
火星: 1.524
木星: 5.203
土星: 9.537
天王星: 19.189
海王星: 30.070
カイパーベルトなど: 50くらい
散乱円盤: 50以上
末端衝撃波面: 75から90
ヘリオシース: 113あたりから(形がかならずしも球ではないのでめんどくさい)
ヘリオポーズ外面: 50から160(諸説あるのと、形が球ではないのでめんどくさい)
以上はwikipediaの次の項からです:
-太陽系
-太陽圏
-ヘリオポーズ
なお、1AUは太陽と地球の間の距離で、149,597,870.7kmであり、8.3光分です。
太陽系の範囲をどこまでにするかには議論もあると思いますが、いくつか見てみます。
さて、冥王星が亜惑星になってしまいましたし、そもそも冥王星の軌道は風変わりでもありました。公転面がかなり傾いていますし。どうやらカイパーベルト付近の大型の天体のようです。海王星の衛星であるトリトンも、どうやら起源はそこらしく、その小惑星が海王星に捕らえられたようです。まぁ海王星はそうは言っても、太陽を公転しているので、一言で除外するというのもちょっとなぁと思います。まぁ、冥王星の近くの軌道に、冥王星より大きなものが見つかり、しかもそれ以外にもたくさん見つかっているので、惑星と言ってしまうのはやはり無理があるかも。なので次の候補を。
そうすると、次に候補として出てくるのはカイパーベルトあたりかもしれません。ですが、散乱円盤に含まれるのは、散乱円盤天体と呼ばれますが、カイパーベルトから外にある「太陽系外縁天体」というのでこれも捨てるには忍びない。
となると、末端衝撃波面、ヘリオシース、ヘリオポーズが候補として残るかと思います。これは天体というわけではなく、太陽磁気圏という、あるい意味では実体がないものになりますが。ヘリオポーズを採用するのが良さそうには思うのですが、値の幅位が広くてめんどうなので捨ててしまいましょう。で、実用的にどうこうという話でもないので、ここではヘリオシースのよどみの始まり付近が太陽から113AUあたりとし、太陽を中心とした半径113AUの球を太陽系の領域だとします。
ヘリオシースで採用した113AUだって、太陽-地球間のたった113倍。1AUが8.3光分なので、太陽からそこまでは937.9光分です。これは15.6光時。太陽からそこまで1日かからずに電波や光が到達するわけです。太陽を中心としてそこまでを半径とする球の領域を考えます。これを太陽系の領域(あるいは、そういう言い方はしないでしょうけど、太陽系の領空とか)と考えることにします。すると、領域の端っこから端っこまで、31.25光時。24時間と7時間と1/4時間くらいで電波や光は通り過ぎます。ちょっと大きくなりますが、1.5光日を太陽系の領空としましょう。「光」を除いて、1.5とか日とか1.5日とか考えるとなんかとても実用的な数字に思えます。まぁまっすぐやると太陽に全部当たりそうでは有りますが。でも実際には「光」が入っているんですよね。1.5光日。
そこで他の恒星系ではどうかは分かりませんが、恒星系の領域も、直径1光日から2光日のあいだのどこかに設定したとします。上と合わせて直径1.5光日くらいにしときましょう。これはなんかの設定に使えるかも。他の恒星の場合、その恒星の大きさや、活動の程度でかなりこの範囲は異なると思います。なので、恒星系の領空(?)を恒星を中心として直径1.5光日、あるいは半径で15.6から切りよく16光時と一括して決めてしまうのは無理があるなとは思いますが。
現実はともかく、1.5光日という数字だけみると、恒星系内の探査は実現できそうに思えてきます。この時点で感覚が多少麻痺していることは自覚していますが。
では、よく引き合いに出されるケンタウルス座アルファ星Aはどれほど近いかというと、4.36光年。1光年がおよそ63,241 AUなので275,730.8AU。太陽系の領域の直径が226AU、31.25光時なので、だいたい38,126.5光時。太陽系の領域の直径の1,220.0倍。太陽系の領域の半径で考えれば2,440,0倍。倍の数だけだと扱えそうですが、38,126.5光時は数としてそろそろ扱いにくくなるかもですね。
例えばヘリオシースまでの113AU。1AUを1kmに置き換えて考えると113km。まぁ歩いても行けない距離じゃない。4.36光年は275,730.8AUなので、275,730kmに置き換えてみます。これだけでも無理っぽい気がします。ちなみに地球の半径は6,371 kmですので、円周は2πr=40,030.2km。地球を6.9周くらいの換算になります。無理です。飛行機でもないと無理。1kmは歩いても行けますし、113kmもなんとか歩いて行ける。でも275,730kmは無理。1kmの27.6万倍で、113kmの2,440.1倍です。無理無理。頑張ればkmに置き換えた113kmなら自動車で充分です。でも275,730kmは無理。頑張ればなんとかならないでもないかもしれないけど。頑張れば。
さて、太陽系内は地球人の資源だとします。かなりの資源庫となりそうなのは火星と木星の間の小惑星帯もありますが、それとともに木星と土星もあるかなと思います。土星のリングや衛星はかなりの資源庫だと思いますが。で、太陽から土星の公転軌道の距離が9.5AUです。太陽-地球間のたった9.5倍。まぁ実際に行くにはすぐさま直線距離で行けるわけでもないので9.5倍よりも長い経路になるわけですが。あるいはカイパーベルトも資源として大きいかも。半径で考えて、カイパーベルトとかの50AUくらいはなんとかなるかもと思いますが(ここも感覚が麻痺してる)。
まぁ実際には、太陽系内の移動ですらFTLが実現しないとそうそう歩きまわることはできないと思います。燃費がいい航法がないと無理。イオンエンジンは燃費はいいですけど、加速が得られない。何かべつの航法がないと太陽系内すら好きに行き来できない。
では恒星系間の場合はどうなるのでしょうか? FTLで一括りにできるような方法で大丈夫なのでしょうか? 例えば、113AUを113kmに置き換えた場合、自動車で大丈夫です。ですが、地球を6.9周するのに自動車で大丈夫でしょうか? 飛行機が必要ではないでしょうか? まぁ頑張ればできるかもしれませんけど。頑張れば。
同じように、太陽系内で使えるFTLとは別のFTLが必要になったりしないのでしょうか?
太陽系内だけだって移動が難しいのに、他の恒星系は遠いですね。