手紙から始まった
宛もない。
名前もない。
そんな手紙が俺のポストにあり
書かれているのは、
綺麗な字で
「貴方が、好きです」
初めてのラブレター。
どんな子は、知らないけど、
俺には彼女がいる。
それに持っていてと気持ち悪から
ゴミ箱に捨てることにした。
だけど、それから毎日手紙がきた。
しかも知らないうちに部屋が綺麗になっている日もあった。
気持ち悪くなった俺は、引っ越して
その機会に彼女と暮らすことにした。
彼女の同居。それからの結婚。
ストーカーのことを忘れた頃に
携帯が鳴りメールを見ると知らないアドレス。
“あの女は、誰?”
“私だけを見ているじゃあないの?”
“私に愛しているって言ったでしょ?”
俺は、思わず携帯を投げ捨て壊してしまった。
お前は、誰なんだ?
俺は、お前になんかしたのか?
彼女は、浮気と勘違いしたけど
本当のことを言ったら信じてくれた
から安心。
それにもうすぐ生まれる子供のために
頑張らないとな。
にしても今日は、珍しく暗くなっても帰ってこない。
お腹が大きいのに歩くだけでも大変なのに
帰ってこない。
チャイムの音が鳴り
俺は、
扉を開いたら知らない女性
そして、何故かハサミを持っている
「私も貴方を愛しているわ」
そのあとの記憶は、俺にはない。