調査、開始!
「こちらロリコン。S・M地点異常なしだ。どうぞ」
ジッ。
ザー。
「こちらBL。W・C地点異常なしだよ。どうぞ」
ノイズ音と共に聞く。
「了解。お父さん愛し隊隊長、現場報告を。どうぞ」
ジッ。
「こちらお父さん愛し隊隊長だ! M・C地点異常なしだぜ。どうぞ!」
でけえ声のせいでノイズ音もでかくなりやがる。耳が壊れる……。あいつは潜入とかに向いていない。
「愛してるわ志多野。どうぞ」
「どうぞ。じゃねえよ!! お前は何なんだよ! 現場報告しろよ! どうぞ!!」
「こちらBL! W・C地点異常発見!! どうぞ!」
「何があった!? なるべく簡潔に! どうぞ!」
とうとう、知ることになるのか……俺たちは。
心臓が高鳴る。
「周りを不自然に気にして男子トイレに入っていく男性二人が! あれは絶対何かあるよ! どうぞ!」
――阿部、お前ってやつは…………。
「どうでもいいこと報告してくんな!! どうぞ!」
「志多野、K・N地点。現れたわ」
「了解。様子を随時報告してくれ。どうぞ」
「後でキスしなさい。どうぞ」
「断る! どうぞ」
「冗談よ。どうぞ」
今日の前澤はなぜこんな積極的なんだ。いや、いつものことなのか……?
でも、今は集中だ。 今日こそ暴いてみせる!
みんなも……同じ気持ちだろうか。
「「「「田仲の性別を、今日こそ!!」」」」
読んでくださりありがとうございます。
5章始まりました。
とうとう彼らが、本気で動き出す。
一人の少年(少女)を巡り……。
次話をお楽しみに。