表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
変態の日常的生活  作者: 荒崎 藁
新山高等学校での変態たち
57/66

大事な一線と魔術

「志多野のファーストキスはあたしの物よ! 志多野、早く境から離れないさい!」

「境、動くなよ」

 あまり近くで口を開けたくないせいで小声になる。境は伸びているのか聞こえていなようだ。

「なんかやけにうるさい……ね……?」

 ガラッと扉が開く音がした。

「志多野くん、何やってるの?」

 聞き覚えのない声、誰だよ。振り向こうにも動いたら当たってしまいそうだ。

「今志多野が境を押し倒したんだよ!」

「ちげえよ! いや、違わなくはないけど! でも違う!」

 阿部め、余計なこと言いやがって!

「う、う~。バッ!」

 ――――

「……」

「……?」

「キタアアアアアアアアアアアアアアア!!」

「そ、そんな……志多野のファ……ファ……ウボアァ!」

「クしゅんっ!」

 …………。

「…………?」

 あまりにも衝撃的過ぎて思考が何秒間か止まっていた。とりあえず離れよう。考えるのはそれからだ。

「…………………?」

「いつまで寝ぼけてんだよお前は!!」

 渾身の一撃で境の空っぽな頭をはたいて全力で部屋の隅まで逃げる。

「え、いや、え?」

「おお~」

 パチパチという乾いた音と、「うおおおおおおお!」という絶叫が部屋にこだましていた。

「やっぱり志多野と境は最高のカップリングだね!! うおおおおおおお!」

「……あ」

 恐るおそるといった感じで境は片手を口元に運ぶ。

「は、まじで?」

 まだこの出来事をあまり理解できていないようだ。

「境が飛び起きようとしたからだぞ……」

 全ての責任は境だけではない。元はと言えば無理やり俺とダイブした前澤のせいだ。その前澤はというと、血の泡を吹いて畳の上にぶっ倒れている。

「……ピョォォォォーーーーーーーーーーー!!」

「何ちゅう悲鳴上げてんだよ」

「いやだってよ!? は!? 意味分かんねえよ! あ、でも俺いっつも動物たちとキスしまくってるしそれと同じにしちゃえばいいか! よし!! 万事解決!」

「いや待て! 境が良くても俺が良くないんだよ!」

「あー、たくさん叫んだから喉渇いちゃった~」

「話を替えようとしても無駄だぞ阿部、俺は……!」

「じゃぁちょっと、私の魔術でブルーポーションを出してあげよう」

読んでくださりありがとうございます。

かなり長い間を空けての投稿となりました。

ようやく変態な日常に戻ってきた今日この頃。

※この物語はファンタジー物ではございません!!

次話をお楽しみに。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ