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変態の日常的生活  作者: 荒崎 藁
変態たちの休日!
39/66

変態観察日記

「勇者境はロリコン志多野、男女おとこおんな前澤、妄想阿部、ドM夕真、ドS悠奈を引き連れて今旅立ったのだ」

「いきなり語りだしてんじゃねえよ。お前勇者かよ」

 温室の中をできるだけ体勢を低くしながら歩いていた。そこら中に売り物だと思われる苗が置いてある。

「僕ドMじゃないよ」

「いいんだよ夕真はドMでね」

「…………」

 やはり夕真は悠奈に弱いようだ。

「あたしたちどこ向かってるの~?」

「人生の、終着点さ」

 ドヤ顔で何言ってんだ。

「それじゃ俺ら死ぬだろ」

「気にすんなってー!」

 いい加減すぎる境はほっといて、真面目に幼女捜しながら田仲捜すか……。

「幼女捜してないで田仲捜せよ志多野」

 な、なぜ分かったんだ! 境は俺の心が読めるのか?

「あ……当たり前だ! うんそう当たり前……あの子かわいくね!?」

「コイツ、ダメだ!」

「静かに! あそこ、見つけたわ」

「お! まじで!?」

 境はアホなのか!? 今静かにって言われたばっかだぞ。

「大声出してんじゃねえよ」

「ああすまん」

 前澤が発見した方向を見てみると、小学生のような体つきで放っておいたらすぐ散ってしまう花のような幼女が、温室の天井を無表情で眺めている。

 この場にいる誰もが思っただろう。

 ――何やってんだあいつ……と。

「あれ、田仲だよな?」

 一応確認のためみんなに聞いてみた。

「どう見たってあれは田仲だろ……」

「田仲だわ」

「田仲だねえ」

上を向いている横顔からは何も感じ取れない。

 やべえ、謎すぎる。

 両手には何も持っていないので、買い物が終わっているというわけでもなかった。

「このまま見張るの?」

「おう」

 そう境は頷き、田仲の観察が始まった。


十分後。変化なし。


更に十分後。変化なし。


また十分後。変化なし。みんなが暑いと言って迷彩服を脱ぐ。


またまた十分後。変化なし。境がレノン(オコジョ)にエサをあげた。


……三十分後。俺がとてもかわいい幼女を見つけ、悠奈に股間を蹴られる。痛かった。


四十分後。阿部が妄想する。よだれ汚かった。


一時間後……前澤が俺をナンパした。危なかった。


そして現在。

「なんだこれ!!」

「田仲の野郎! いつまで天井見てんだよ!」

 さすがにこれ以上はきつい。てか暑い。

「そうね。こんな長い時間微動だにせず上向いてるなんて……」

「趣味なのか?」

「ああ確かに趣味ならありえるな」

「あんたたち暑さで頭おかしくなった?」

 前澤の言ったことも一理あるかもしれない。温室ってこんなに暑いもんなのか。というより俺たちが厚着しているからか……。

読んでくださってありがとうございます。

感想など書いてもらえると執筆意欲がぐぐーんと上がり発狂します。


みんな変態全力でイきます!


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