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変態の日常的生活  作者: 荒崎 藁
新たなる出発点!
25/66

第二ラウンド!

この、中二的なセリフしりとり我慢比べを始めてから二時間くらい経つ。

これでは決着が着かないと気付いた俺たちは、新ステージで第二ラウンドを無言で繰り広げていた。

ルールは至極単純。我慢比べだ。

ステージ環境はさっきの風呂場とは比べ物にならない程、暑い。

砂漠、いや熱帯雨林に水着でいる感じだ。湿度が半端ない。

無心で挑まないと体が火照って負けてしまう。ましてや幼女などを考えていたら興奮して熱中症になりそうだ。

そのステージの名は『サウナ』。

もちろん設定温度は百度だ。

今回は俺と境だけでなく、前澤、阿部、田仲と参加者が増えた。

みんな一ミリも動かず、七人は座れそうな長いすに一列で座っている。

誰一人として口を開こうとする者はいなかった。

「みんなでしりとりでもやらねえか?」

この戦いが始まって十分後、無言に堪えられなかったのだろう。境がついに口を開いた。

 てかしりとり好きだなお前。

「普通のしりとりはつまらんな」

 ここでしりとりなんかやって、無駄に喉を使うのは得策ではないだろう。

「じゃぁ、小説リレーでどうだ?」

 しりとり関係なくなったし。小説リレーの方が喉使うし。そもそも風呂場にノートないし。

「ノートねえだろ」

「俺らまだ高校生だぞ。ノートなくても脳があるだろ。記憶しろ」

 境はどういうつもりなのだろうか。相手を一刻も早く脱落させたいのか?

だとしてもこれじゃ自虐的な作戦だ。

それとも、ただ暇なだけなのか。

「俺の記憶力なめんなよ。じゃぁやってやろうじゃねえか。みんなもいいよな?」

 俺は三人の顔を順番に、頷くのを確認する。

「よし。境からでいいよ」

 そう言うと、さっきまでの枯れた笑顔が、少々ではあったが咲いた。

「ある時、老人は叫んだ。(たたりじゃああああ)」

 ……出だし急だな!

多分順番は座っている順だろう。右から、境、俺、前澤、阿部、田仲と座っているので、次は俺だ。

 …………えー。くそ難しいんですけど? どう繋げりゃいいんだよ。

二分程考えた後、

「老人は見てしまったのです」

 見てしまったモノは前澤に託すとしよう。

「彼女の浮気現場を」

 急展開すぎる! この場にいた前澤以外の人不覚にも笑っちゃったよ!

我慢比べ中でいつ脱落するか分からんのに!

「老人はショックで死んでしまいました」

 勝手に殺すなよ! この物語の主人公じゃないの!?

「そんな時です。老人の魂が天へ昇っていると……」

 珍しく田仲がまともに喋ったぞ!

 そして境か……。

「やっぱり彼女が浮気していました」

 もうそんな彼女のこと忘れちまえ!

「しかも今度は違う男でした」

「老人はあることに気付きました。(あ……あの若造、かわいい体つきしとるのう)」

 やめてあげて!

「老人は知らぬ間に、特殊な性癖に目覚めていました」

 もうダメだ……。

「すると、突然生命エネルギーがみなぎってきたのです」

 すげえな!

「ふと目が覚めると、そこは」

 変なとこで区切るなよ!

「秋葉原でした」

「…………」

 なぜか突然途絶えてしまった。

まさか!

「前澤、脱落!」

 ついに脱落者が……。前澤は虚ろな目をしていて、本格的にやばそうだ。

「水風呂行ってくるわ……」

 一人で歩けるなら大丈夫か。前澤がサウナ室から、出て行った。

 これで後四人。

 まだ戦いは続きそうだ。

読んでくださってありがとうございます。

やっと勝負に決着が着きそうです。


評価、感想等を書いてくれると、とっても嬉しいです。

では次の話で。

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