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変態の日常的生活  作者: 荒崎 藁
新たなる出発点!
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いざ尋常に!

「スタートだ! 俺からな」

 境は少し悩み、そして

「俺はこいつらの相手をする。その間にお前らは先に行け!」

 なんともありきたりなセリフだ。

 しかしこれは難しいかもしれないな……次は『け』から始めなくてはならない。

「決心した! 俺は神になる!」

「類は友を呼ぶ。そう、前に言っただろ?」

 知らんがな。

「ロビーを出れば、そこは墓場だ」

 俺たちの勝負を観ている阿部が爆笑している。

結構俺ら真剣なんだけどな。

「第二に、俺は時を操ることができるんだよ」

 第一は何が操れるんだよ!

「よう。貴様と会うのも久方振りだな。魔王」

 俺と境は意外に演技派なのかもしれない。セリフに熱が入っている。

「雲泥を司る勇者とは、俺のことだ!」

 雲はともかく泥て……。

「第一を言うのを忘れていたな。第一に、俺は運命を操ることが出来る!」

 チートな主人公出来上がっちゃったよ!

「ルールなど、我には通用せんぞ!」

 どんだけ自分勝手なんだよ!

「ゾンビは頭を撃てば一発だ…………ほらな!」

 俺は右手を銃の形にして撃つ真似をした。

「泣くな! そんなにお前が泣いたら……俺だって泣いちゃうじゃねえか!」

 ほんとに涙が出そうなくらい、セリフに感情がある。

「か弱い女の子を、揃いも揃って……ほんと、無様だな」

「何だてめえ? 俺たちとやろうってのかああん? おい貴様ら! やっちまえ!」

 いや、俺にメンチ切るなよ。

「エクスカリバーを持った俺とやろうってか? 敵の力量も計れないとはな」

 背中に装備しているエクスカリバーの柄を、右手で掴むような動作をする。

「な、なんだと!? くそ! 撤退だ!」

 帰るのはええな!

「大丈夫ですかお嬢さん。お怪我は?」

「はぁはぁ。大丈夫です。助けてくれてありがとうございます」

 そろそろ本当にあつくなってきたな……。

風呂もセリフも。

 てか今のセリフ、アリなのか?

「姿が見えないと思ったらこんなところに! ささ、姫、城に帰りますぞ」

「憎悪に満ちている……お嬢さん、城には帰らないほうがいい」

 なんで物語みたいになっているのだろう。

「いいえ、私は帰らなければなりません。そこで弟が捕まっているのです」

 これじゃ劇をやっているみたいだ。

 そーいえば阿部と田仲と前澤は、さっきから笑いながら俺たちの勝負を観ている。

暑くないのだろうか。

 境はまだまだ余裕そうだ。

「少し待ってろ。俺が世界を治めてやるからよ」

 劇を終わらせてきたか。そっちの方が好都合だ。

「酔ってんじゃねえ。俺の心にな」

 そこで前澤が反応したが、無視。

「慰めの言葉なんかいらねえ。だって、お前がいるだけで十分だからな」

 二人とも恥ずかしいセリフになりつつある。

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