変態は治らないもの
その後セクハラだのロリコンだの誘拐犯だの、周りにいた新入生たちに散々言われたが、今の俺はそんなことどうでもよかった。
田仲の最高の笑顔を見れたのだから!
それから徒歩四分の家に着くまでの間、俺は気持ち悪いほどニヤついていた。
「たっだいま~! お風呂お風呂!」
阿部は靴を脱ぎ捨て、自室へドタドタと走っていく。
「ただいま帰ったぜ! 早くエサやらんといかんな!」
境は阿部の分も靴を揃えてエサをやりに自室へ行く。
「ただいま。早速お風呂の準備しなきゃ……」
前澤も靴を揃え、自室にカバンを置きに行く。
「……ただいま。クしゅんっ」
田仲の靴小さいな……。
十九センチ!? ほんとに高校生だよな?
「ただいまー。俺風呂まですることねえな……」
みんなやることあっていいな!
リビングにいたら絶対前澤に風呂の準備を手伝わされるので、特にすることはないが風呂まで部屋にこもることにした。
「はぁ。今日はほんとに疲れたわ」
俺は肩からため息をし、カバンをその辺に放り投げ、ベッドへ横たわる。
――あの笑顔、またしてくれないかな……。
ベッドの上に読み散らかした分厚いアルバムの中から一冊を手に取り開く。
そこには俺が今まで趣味で撮っていた写真がびっしりとある。
このアルバムは公園で撮った写真しか貼っていない。
まず、一枚目。
明るく元気に友達たちと鬼ごっこをしている幼女(小学三年生)。
二枚目。
転んでしまって大泣きしている幼女(小学二年生)。もちろん撮った後に手当てをして慰めてあげた。
三枚目。
ピンクのスカートでブランコを勢いよく漕いでいる幼女(小学四年生)。ギリギリでパンツが見えなかったのが俺の感情をたまらなくヒートアップさせた。
こんな感じで最初から最後まで全てのページには幼女の写真がある。
公園シリーズだけでなく、街中、海、プール、山といった様々なシリーズのアルバムもある。
これは決して盗撮ではない。ちゃんと親御さんの許可を得て、撮っているのだ。
しかし娘がいる家庭だけ撮っているのはかなり怪しまれる。なのでスーパーウルトラグレート超不本意ではあるが、息子がいる家庭もちゃんと撮っている。
少年の写真は全て阿部にあげていた。
そして、皆は俺のことをこう呼ぶ。
ロリコンだ。ペドだ。
――
ペドじゃねえよ!