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変態の日常的生活  作者: 荒崎 藁
変態たちの新居!
12/66

お引越し!の9


 

「てめえ起きやがれ!」

 別世界から境の声が聞こえてきた気がした。

「起きろっつってんだよ!」

「う……う~ん? 空襲か?」

 何だ急に。こちとら眠いんだ起こすなよ。

「こんな時代に空襲なんてあるわけねえだろ! 早く起きろ」

「あと五時間……」

「あと五分よりたち悪いぞ。まあいいで起きろ!」

起きろと言われて素直に起きるわけない。眠いから。

「まあいいや。引きずり持ってくからよろしく」

 境はそう言うと布団を剥がそうとした。しかし布団はしっかり俺が握っているので剥がれはしない。

「いちいち抵抗すんな!」

 境が無理やり布団を引っ張ったので俺ごと床に落ち、背中を強打した。

「ぃてぇ……」

「よし、行くぞ」

 そのままリビングまでほんとに引きずって行く。

 リビングに入ると味噌汁のいい香りが……しなかった。

 境だけの力ではどうにもならなかった俺の布団を、三人の勇敢な戦士が加わったことにより剥がされてしまった。

「じゃあ食おうぜ! 質素過ぎる飯を!」

 俺は介護されているかのように、イスに座らされる。眠い。

「では、いただきます!」

「いただきます!」

 前澤の言葉にみんな続いた、俺を除いて。田仲は分からんけど。

「おやすみなさい」

 そして寝る!

「おまっ! 寝んなよ!」

 だが断る!

「もう寝かしとけばいいんじゃない?」

阿部、ナイスだ。よくぞ言ってくれた。

「うんまあ、そーだな」

 これが俺たちの、最初の食卓だった。

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