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青い半魚人  作者: 松下真奈
第二章
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手紙⑬――ユウキから侑子へ

ユーコちゃんへ


あっという間に夏が終わった。

最近は以前のようなスピードで手紙を出せずにごめんね。

巡業から央里に帰ってきたと思ったら、一週間といられずすぐにまた巡業へ。こんな感じで、八月と九月は殆ど地方で過ごしていたよ。

今回は一ヶ月丸々央里で過ごせることになったけど、十一月に入ったらまた巡業。

年末年始はいつも通りジロウさんのところで皆と過ごすけど、帰ってくるのは十二月に入ってからになるかも。


巡業に出る度に、訪れた土地の人と仲良くなるんだよ。ライブハウスで働く人はもちろん、地元の歌歌い達や、お客さん。そんな風に関係が広がっていくことが、すごく刺激的なんだ。

学生ではなくなって、一応稼ぎもあってリリーの家で一人暮らしもするようになって、漠然と自分の中で一段落ついたつもりになっていた。ずっと目標にしていたこと……自分の本当の声で歌うこと、それも叶っているしね。

だけどそうじゃないって、頬を打たれた気がする。まだまだ先はあって、目指すところや欲しいと思うものは尽きない。


 もっと沢山歌いたい。

 もっと曲を書きたい。

 楽器の技術も磨きたい。

 もっと多くの人に、俺の音楽で楽しいって言わせたい。


俺は欲張りかもなぁ。全部諦めたくないって思ってしまう。

だから、一箇所に留まっていられない。何処かに行けば、まだ知らない気づきを得られるかもって思ってしまうから。


手紙の返事、きっとまた待たせることになる。本当にごめん。

待たせる分だけ、すごい曲を書くよ。沢山歌ってくる。ユーコちゃんに聞かせたい話や見せたい景色を、一つでも多く見つけてくるって約束する。

歌う俺の原動力は、君だよ。

声が聞こえなくても、ユーコちゃんはいつも一緒に歌ってるように感じる。そう思えるから、もっともっと歌っていたいんだ。


ユウキ

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