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第六回
獣
道ならぬ道を一匹の獣が行く
不倫はどうやら文化ではないが
一つの習慣ではあるのかもしれない
道ならぬ道を一匹の獣が行く
不倫はどうやら文化ではないが
その獣が持つ習性ではあるのかもしれない
道ならぬ道を一匹の獣が行く
ああ 道ならぬ道
ああ 一匹の獣が行く
狙撃手
俺は息を潜めじっと時を待つ
ライフルを構える手を固定する
風景に一体化 誰にも俺の姿は見えない
チクタク チクタク やがてその時は訪れる
さあ扉を開け 俺は引き金に指をかける
ポッポー ポッポー
ハト時計のハトを仕留めるチャンスは
一時間に一度しかめぐって来ない
僕の創作
君の作るものは
学芸会の出し物レベルだ
いいや それ以下のひどい代物だ
そう言ってあなたは僕にトマトを投げた
僕はそのトマトでピザを作った
角の取れたマルゲリータ
どこ吹く風のバジルを添えて
無題(仮)
大切な思いを排泄する
そんな毎日
俺はどうしようもなく一人だ
どうかこのことに気付いてほしい
お前は確かに地元の恥だ
そして同時にこの世界の宝でもある
知っていますか
星のカケラが人を作ることを
原初の火種のその延長に
あなたの命があることを