第三十七回
サンタにはなれない
ほしいものはいつも手の届かないところにあった
一人街を行き
幸せそうな人々とすれ違うたびに
胸を刺すこの痛みはなんだろう
荷物ならたくさん背負っているが
どれも不幸や哀しみばかり
だから俺はサンタにはなれない
誰も望んではいないだろうけれど
ああ トナカイが逃げて行きます
賛美歌がうつろな胸に響きます
聖なる夜に一人街を行く
暗くて冷たい聖なる夜に
俺はどうしてもサンタにはなれない
好感度
初対面が一番好感度が高い
あとは下がるだけ
下がるだけだ
俺のことを知れば知るほど
人は俺を嫌い蔑むようになる
俺は天下の嫌われ者
初対面が一番好感度が高い
連中
無職になったことのない奴が
無職の君を笑うんだろう
無職になったことのない奴が
無職の君を蔑むんだろう
想像力の足りない奴が
君の苦しみを笑うんだろう
変人
変人は
いつでも
招待状を持たない
どこに行っても場違いな
招かれざる客
とても
とても
居心地が悪い
お互いに
地の続く先
天の果てまで探しても
俺に居場所はない
そう どこにも
俺へ
自分の書いた詩を読みながら
胸が苦しくなる
息が詰まる
気持ちが沈む
おい お前!
と 俺は俺に呼びかける
俺よ
俺よ
辛く苦しい道を歩いて来た俺よ
俺はお前を助けてやれなかった
母親に殴られている時も
いろんな嫌がらせを受けている時も
ごめんな 俺よ
でもこれだけは言っておく
ただ一言
言わせてほしい
今まで生きて来てくれてありがとう
フレー! フレー!
俺!
ファイト! ファイト!
俺!
逆境としか言いようのない人生を
お前はこれからも生きていく




