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第三十四回
音色~もしくは最初の音
知らず 知らず 伝えて来た
この世界の最初の振動
最初の音は
誰もの体に流れている
静かに 強く
奏でられている
たとえば拍動
心臓の一打一打が
狂おしいほどに切実な
原始のリズムを刻むように
細胞の一つ一つが
何か極めて重要な
一つのメッセージを伝えるような
そんなあり方
この世界のすべてが
この世界の果てまで
はるか遠い過去から
はるか遠い未来へと
何かを伝えようとしている
あなたの発する声の一つが
あなたの作る指の動きが
すべて世界のメッセージ
あなたの中にある
最初の音
あなたの中にある
世界の音色




