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第三十二回
たとえ世界に一人きりでも
また聞こえて来る拒絶の歌声
お前は孤独を思い知る
これでいったい何度目だ
お前が言う
「だまされた」とか
「もてあそばれた」とかいうセリフは
誰もお前を愛していない
誰もお前を求めていない
いつも誰かの手の平の上で
踊っている毎日
はたから見れば滑稽で
楽しげにさえ見えるかもしれない
しかし刻むのはステップやリズム以上に
痛みを伴う傷痕ばかりだ
拳骨や平手打ちが当たり前の日々の中で
お前は諦め 心を閉ざした
必要な時にケアをされないという心理的ネグレクトの日々の中で
お前は失望し 殻にこもった
教え込まれ刻みつけられた言葉
「お前には愛される価値がない」
心のすさみに任せて傷つけた日々
お前のその手は赤黒い汚れだ
気付けば一人
生まれた時から一人だった
壊れた心
この孤独の重さには誰も耐えられない
孤独の宿星
呪われた運命のもとに生まれた凶つ星
お前は他の誰にも耐えられないような険しい道のりを歩いてきた
ぼろぼろの体で
ぼろぼろの心で
ぼろぼろの魂で
俺はお前をねぎらいたいのだ
いつの日か
お前の果てしない贖罪の旅が終わり
約束の場所にたどり着く時
暗い暗いトンネルを通り抜けて
あたたかな日の光の下にたどり着く時
お前に救いは訪れるだろうか
たとえ世界に一人きりでも




