第十六回
歯車工場
底辺でもがきながら思い知らされる現実
いびつな歯車
部品になれなくてすみません
ギシギシと軋みながら謝罪します
人は皆平等であると
高い所に立って先生が言います
その手中にはヤスリがあって
今日も歯車たちをすり減らします
前へ習え
列を乱すな
均質な歯車を作ろうとします
学校という名の檻
師と敬うに値しない人間の下に付けられ
友と呼ぶに値しない連中の輪に囲まれる
あたたかい人の輪の中でこそ育まれるものがあるように
人の輪の中で軋むからこそ失われ損なわれるものもある
手に入れたものと失ったものとを数える時
さてその収支は赤字か黒字か
義務と強制の檻を出る時
その手に何が握られているのか
落雷
ゴロゴロと
空が腹を下している
ピカリと光る下痢糞が降って来るぞ
ゴロゴロ
バリバリ
ズガガガガーン
やりやがる
まったく派手な排泄行為だ
ダビデ像
かっこいいですね
よく言われます
見事な肉体美ですね
それもよく言われます
そんな格好で恥ずかしくないんですか
これもよく言われる言葉です
そろそろ寒い冬が近付いて来ます
風邪など引いたら大変ですね
そう言ってコートをかけてくれた貴女を僕は叱りつけました
余計なことをするなと言って
天声
空から声が降って来ます
ヤケを起こすな
心に思いやりの火を起こせ
希望を捨てるな
こだわりを捨てろ
悪事を働くな
地道に働け
まったく耳が痛い話です
頭も痛くなって来ます
空から声が降って来ます




