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結界
俺は戦士団の一員として今日、結界の周りの魔物を殲滅する。
ABC級は何度か結界の外に出ているが、俺みたいなF級は一度も結界の外に出たことがない。
そしてこの結界が今日、破られる。
どんな感じに消滅するのだろうか。
そう思い俺は結界を見上げた。
「やっぱ、何度見てもでかいな。」
そうボソッと言い、その場を立ち去った。
戦士団F級の待機場所は小さな城の屋上だ。
あそこからなら、結界は見やすいし直ぐ出動することもできる。
「おーい、ライト。」
友人のレイの声だ。
「レイ、なんか用か。」
と返してみた。
「準備は大丈夫だよね。」
とレイ。
「ああ、大丈夫だ。」
俺がそう言うと、結界が破れはじめた。
バリッバリッとヒビが入っていく。
まるで、一度砕かれた氷のように。
次の瞬間、バリーンと結界が破れた。
キラキラした光と共に、一つの声が、
「戦士団、出動。」