4, 次の日のこと
4 次の日のこと
花火大会の次の日の朝、バイト先に山本さんが来ていた。昨日のこともあり、少し気まずさもあったが
このままではいけないと思い話しかけた。
結衣は午前のシフトが入っていたが、先ほど連絡があって風邪で休むことになったらしい。
「結衣は風邪で今日はバイト休むんだって」
僕は山本さんに伝えた。
「風邪引いちゃったの!?じゃあ帰りにお見舞い行かないと」
結衣の話を先にしてしまったから、なんだか昨日のことに改めて触れるのが恥ずかしい。
結局、昨日のことを話さないまま2時間が経った。だが山本さんはまだお店にいる。手が空いたので話しかけてみた。
「お見舞いには行かないの?」
「えっ!!あ、あのね、、結衣の家の場所がわからなくって」
「あーー、ここからそんなに遠くないよ。」
「じゃあ、あの、、」
山本さんが申し訳なさそうに言う。
「もしよかったら、バイトの後に案内してもらってもいい?」
まさか2日連続で2人っきりになれるとは思っていなかった。嬉しすぎる。
結衣の家はバイト先から10分ほど歩いた所にある。
ちょうど駅に向かう途中にあるので、バイトが上がる時間が同じ時は一緒に帰るので知っていた。
「あのさー、昨日のことなんだけど、、」
僕は勇気を出して言った。いや、本当はもう、どうとでもなれと思っていたのかもしれない。
「最初にカフェで見た時から、多分一目惚れだった。もっと一緒にいたいし、もっと山本さんの笑顔が見たいって思う。」
。。。
自分でも、告白するつもりじゃなかった。ただ、気づいたら告白していた。
山本さんは驚いた表情をして、その後すぐ笑顔になった。
「私も」
僕らは付き合うことになった。
この笑顔を守りたいと、心の底から思った。