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±0  作者: 日向陽夏
第1章 殺人カリキュラム【前】 処刑斬首編
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第4話 Fランクの怪物㉙【骸骨視点】

「あら、二人とも死んじゃったの? 凄く意外な展開ね」

 くすくすと、いばら姫ちゃんが微笑っている。

「透さんが死ぬとか、マジあり得ないんですけど……」

 リリーちゃんが驚愕している。

「こいつ、ガキのくせにぶっ飛びすぎだぜマジ」

 ヒコ助が動揺している。

「完全に油断したね、透さん」

 ヒキガエルが、ぼんやりと呟いている。

「あの女、あの女、あの女、あの女ァァアアア……」

 花子ちゃんが、怨嗟に狂っている。あの女とは、オメガのことだろう。察しはつく。

 だから僕も、軽やかに二人の死体に近づいていくことにした。

「おい骸骨、てめえ何する気だ?」

 ヒコ助が、慌てたように声をかけてくる。

「ん? ちょっと生き返らせるだけさ。僕の《冒涜生誕》を使ってね」

 おどけたように微笑みながら、異能を発動すべく二人の亡骸に掌を向ける。

「ちょっと骸骨。それじゃ一人しか生き返らせられないでしょ。私も手伝うわ」

 そう言っていばら姫ちゃんはジェネシスで具現化した”第三の腕”を伸ばし、僕の背中に当ててくる。”第三の腕”は恐ろしいことに異能化ではなく、形態化で具現化したものだ。こんな芸当は透さんはおろか《赤い羊》の誰でもできない。ジェネシスを扱う才能に関しては、いばら姫ちゃんは透さんを超えているかも……しれない。

「おっと、そうだったね。ありがとういばら姫ちゃん」

「透と百鬼零を死なせるのは勿体ない。なんだか懐かしいわね。誰かを生き返らせたい、命を救いたいだなんて思う気持ちは……。とても懐かしい」

 いばら姫ちゃんが珍しくしんみりしている。

「……記憶が戻ったのかい?」

「記憶は殆ど無いわ。医者だったことは覚えてるけど。そうね、誰かを助けたいと無邪気に本気で思っていたことは確かにある。その気持ちだけは思い出した。まぁ、人の破滅が見たいという気持ちの方が強いけれど、ね。さ、行くわよ骸骨」

 《多重展開》――タジュウテンカイ――

 いばら姫ちゃんのパープルジェネシスが第三の腕を介して、僕の身体に流れ込んでくる。通常、一つの異能を同時に使うことはできない。だがこの異能によってその法則は無視され、一つの異能を同時に使うことが許される。異能のための異能。

 僕は僕だけの異能を展開する。

 《冒涜生誕》――ボウトクセイタン――

「二人にはまだまだ楽しませてもらわないと……ね」

 そして骸骨こと僕は、透さんと百鬼零に魂を吹き込むことに成功した。

 そう、僕は三つの異能を持つジェノサイダーだ。

 一つ目は、一つの死体を完璧に操る《死姦人形》。

 二つ目は、複数の死体を同時に操る《死屍累々》。

 最後の三つ目は……死者の持つ”記憶”と引き替えに死者を生者として蘇生する《冒涜生誕》。

 《冒涜生誕》で甦った死体は生前の記憶を思い出せなくなる代わりに、蘇生する。生まれ変わる。記憶を失った百鬼零は、《赤い羊》として覚醒するだろう……。ククッ、それはとっても面白い。

 ああ……全然、まだ全然、遊び足りないんだ……。

 もっともっと、もっともっと見せてよ! インモラル・エクスタシスを!

「ハハッハハハッッ、ハハハハハハハハハハハハッッッ!」

 僕は笑わずにはいられなかった。

 SSに到達したオメガ。SSSに拮抗した白雪セリカ。そして、死体になった百鬼零。

 新しい玩具が三つもできたら、もうやることは一つしか無いよね。

「さあ、次はもっと面白いゲームをしよう!」

 僕の声が高らかに響き、今回のゲームは幕を閉じた。

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