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±0  作者: 日向陽夏
第1章 殺人カリキュラム【前】 処刑斬首編
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第4話 Fランクの怪物㉖

 俺と花子の間に立っていたのは、透だった。

 俺の剣を、暗黒のジェネシスをバリア状に歪め受け止めている。

 ジェネシスを身に纏い、複雑な面持ちで俺のことを見据えていた。

 「どういうつもりだ、透」

 「悪いが、花子の命をここで費やすのは惜しい。そして、僕自身の考えが白雪セリカと、オメガ、そして今の君を見て変わった」

 「貴様……約束を違える気か?」

 「僕は君たちを完全に見下していた。下等生物として、ね。だが、花子を殺す力を持つ君と、低ランクでありながら花子を追い詰めたオメガ、そして僕を殺しうる可能性を秘めた白雪セリカ……君たちを野放しには出来ない。僕は君たちを……脅威になり得る存在として評価している」

 「結局殺すのかよ……? テメエはやってることが滅茶苦茶だ。殺人カリキュラムで殺人鬼を育成しておきながら、自分が殺されそうになったら中止だ? 通らねえよそんな理屈」

 「そうだね、初めてだよ、自己矛盾なんかに囚われるのは……。そういう意味でも、君たちは本当に凄まじい存在だ。だから、これはちょっとした提案なんだが……」

 透は一旦そこで言葉を句切り、俺に手を差し伸べた。

 「僕と来い、百鬼零。君ほどバイアスを掌握できる人間は未だかつて見たことが無い。君なら、”見たことが無い景色”を理解出来る。SSSにも、間違いなく到達出来るだろう」

 「断ればどうする?」

 「全員この場で殺す」

 「お前と友になれと?」

 「その可能性があると言ったのは君だ」

 「あれはSSになるための方便だ」

 「それでも君は証明した。してしまった。花子を殺せる力を持っていることを」

 「…………」

 「…………」

 お互いに、沈黙。

 このままでは押し問答だ。

 だが、存外魅力的な提案なのかもしれない。

 この、つまらない世界を、根底から破壊し尽くすこの男が見せる景色。

 それは、きっと、どこまでも――――

 「先輩! そっちへ行っては駄目!」

 俺が透の手を取ろうとすると、俺の手は無意識的に硬直する。透は忌々しげに目を細めると、黒きジェネシスを翼に形態変化させ、剣を握りセリカに突っ込んでいく!

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