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±0  作者: 日向陽夏
第1章 殺人カリキュラム【前】 処刑斬首編
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第4話 Fランクの怪物⑬

 「セリカ、自らに《聖女抱擁》を撃て!」

 俺は命令を下しながら、ジェネシスを翼へ形態変化させると同時、花子へ突っ込む。

 「っ、零……」

 花子は俺の行動が予測を超えていたのか、忌々しげに表情を歪め、トドメを刺そうとしていたセリカから標準を外す。そして、俺に手を翳す。《鮮血時雨》を観察していたが、このジェネシスには一つだけ弱点がある。そこを突く!

 「せ、先輩!?」

 「動揺するな。俺を信じろ!」

 「は、はい!」

 《聖女抱擁》――セイジョホウヨウ――

 セリカが純白に輝き、花子にやられた傷が瞬時に再生する。

 と、同時。

 「キルキルキルル」

 花子は自らのジェネシスを剣として具現化する。そう、《鮮血時雨》の弱点。それは、リロードするまでにもう一度剣を作り直さなければならないという難点。

 だが、その一瞬のタイムロスがお前の致命傷。俺は、それを見逃さない。

 「セリカ、《守護聖女》だ!」

 《守護聖女》――シュゴセイジョ――

 《鮮血時雨》――センケツシグレ――

 俺の命令と同時、セリカから《守護聖女》。

 花子から《鮮血時雨》。溢れ出すのは死の弾丸。俺はジグザグに回避行動を――――

 《智者一矢》――チシャノイッシツ――

 灰色の閃光が花子と俺の間にひた走る。瞬間、花子の《鮮血時雨》は明後日の方向へ逸れ無力化される。

 「兄さんは花子を殺すことだけに集中して。防御と回避は私が担当するから」

 結は涼しい顔で風に舞う自分の髪を右手で押さえている。

 「フッ!」

 花子は背後に迫る《守護聖女》への回避行動へ移るかと思ったが、浮かべる表情は意味深な冷笑。

 まさか、こいつ……っ。

 「キルキルキルル」

 ジェネシスを剣へ形態変化させ、セリカへ構え、そして――――

 《鮮血時雨》――センケツシグレ――

 「誰が能力が一つしか無いって言った?」

 「花子、まさか、お前――――」

 「アハハハハハハハハハハ! 死~~~、ね」

 《即死愛撫》――ソクシアイブ――

 花子の右手から死の弾丸。左手から溢れ出す紫の光が死の弾丸へと融合。

 先程までは目視出来た《鮮血時雨》が、残像すら残し一瞬で《守護聖女》を貫通。セリカを襲う。

 《智者一失》では間に合わない。俺はかつてなく思考を加速させ、セリカへ右手を翳す。俺が今やれることはこれしかない!

 《監禁傀儡》――カンキンカイライ――

 空中から鎖を具現化させ、セリカの右腕を縛ると叩きつける勢いで床へセリカを落とす。

 「うぐっ!」

 セリカは痛そうに顔を歪め、床に顔面を叩きつけ吹き飛ぶ。我ながら酷いことをしたと思うが、セリカが先程までいた場所に花子の《鮮血時雨》が貫通していたのを見て、冷や汗を拭う。

 「……へぇ。まさか《即死愛撫》と合わせた《鮮血時雨》を回避するとは思わなかったわ。流石は零。突破出来たご褒美に教えてあげる。《即死愛撫》は加速能力。三倍は速くなるのよね」

 花子はいつの間にか翼を消滅させ、地上に降り立ち勝利の微笑を浮かべていた。あの状況で《守護聖女》も難なく回避したということだ。

 《即死愛撫》は技の速度だけでなく、自分自身の行動の加速もできるということ……。すなわち、先程のリロードのタイムロスの弱点も消滅したということだ。

 《即死愛撫》まで併用された花子に対する勝利のビジョンが全く思いつかない。

 花子に勝つ為には、花子を《守護聖女》で無力化し殺す必要がある。もしくは、隙を作り出す必要があるが、その隙が全く作れるビジョンが思い浮かばない。その為の《守護聖女》なのだが、どれほど撃ったとしても《即死愛撫》の加速能力で回避され、それどころか花子の攻撃まで加速されてしまえば一瞬でこちらがカウンターで殺されてしまうデメリットすらある。

 俺の《監禁傀儡》で花子を支配するという勝ちパターンもあるにはあるが、その為には花子に直接俺が触れなければならず、難易度が高すぎて現実的では無い。


 …………この勝負、そもそも勝算はあるのか?

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