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±0  作者: 日向陽夏
第1章 殺人カリキュラム【前】 処刑斬首編
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第3話 生首プール⑭

 「花子さん、それじゃ駄目なんですよぉ。全ての人間に能力を同時的に使える訳ないですし。結局のところ一日数人、ちまちま奴隷にしていくことになります。超長期的スパンな訳です。てことは、奴隷にした人間の家族、友人、同僚は不審に気付く。そーなったらいつかは警察に俺の奴隷がマークされるのは目に見えてる。んで速攻で俺の存在に気付く。そうなったらおしまいだ。国に潰されんのがオチ。やりようはいくらでもある。政府にとって不都合な人間は、痴漢のえん罪とかでテキトーに消せばいい。その辺の金に飢えてる女に十万ぐれぇぶらつかせりゃあ、簡単に雇えるだろうし。ムショにさえぶち込んじまえば、あとは刑務官とマスコミ様のお仕事です。だが、そんなくだらないオチを防ぐ為には、ひとまず金が必要です。金で身を固め、徐々に奴隷を増やす。政府にはあらかじめ金を流し、黙らせておく。癒着さえしちまえば、あとはこっちのもんですからね。金で動かない官僚には、奴隷にした女を流せばいいです。俺の能力がありゃあ、どんな女でも選び放題、犯し放題ですからァ? 女は通貨みてぇなもんですよ。未成年だろうが老婆だろうが、穴さえありゃあ通貨代わりになります。それに、金だ。金。やっぱ金なんだよ。奴隷だけでやりくりするのも限界がある。ちまちました活動を続けていく為にも、どうしても金が必要だ。大事なのは、金と信者と、政治力だ! 金と信者と政治力さえありゃああとはどうにでもなる! 独裁ライフの基本中の基本! 俺には金が必要なんだァァ!」

 「でもお城は建てる必要はないでしょ?」

 「え? 城は建てますよぉ! 城は建てなくちゃ駄目でしょう! どう考えたって城は必要ですよ!? 俺が豪邸如きで満足出来るわけがない。だって俺ですよ!?」

 「でもさ」

 「でももクソもねぇですよ! 金なんだ。金、金だ金金金。金、金、金……金が全てなんだよォォ。技術、頭脳、運動神経、何でもいいが、突出した才能は金になる。だが一番金になるのは、人間だ。人間から直に牛から乳絞るみてぇに金を搾り取るのが一番効率がいいに決まってる! 親が金持ってりゃあ、それだけで金持ちだぜ? おい。ちゅーちゅーすね肉の血ィすすってりゃあいいんだからなァ!! だが、ゴミだろそんなの!? 親なんてカンケーねぇ!俺は違う! 自分の力だ。俺の力で、金を集めた。これだけの生首! 金をだ! 信者だって俺の力で集めた。信者はそれぞれ才能を持ってる。その才能は全部俺のだ。俺の金だ! 人間を支配する才能こそが、一番の才能! 金なんだよォォ! なぁ、世の中の金がどんな風に動くか知ってるか!? 金を持ってるのは働きアリじゃねえ、キリギリスなんだよ。寄生虫が一番得をするように世の中回ってんだァ、分かるか? 真面目にコツコツ働くなんざ馬鹿のやることだ! どんだけ人間から搾り取るか、これが正義! これが資本主義の鉄板! いや、資本主義ですらねぇんだ。歴史的に繰り返され続けてきた、王と奴隷の搾取関係。これは揺らがない。誰が王になるか、支配者になるか。違うのはここだけだが、やってることは同じだ。下民から、金を搾り取り、生かさず殺さず飼い殺す! 俺はなァ、官僚になって民衆からむしり取るだけむしりとって天下りしまくるのがマイ・人生設計だったんだよ! だがもうそんなチンケな小細工はいらねぇ!! この《家畜奴隷》さえありゃあ、何だって出来る! 女は犯し放題! 車も時計も服も奪い放題だァァ! 俺の、俺の力なんだよォォ! 俺の金なんだァァァアアアア!!」

 過呼吸気味に田森は金金金と繰り返し、荒く肩を上下させている。だいぶ、こいつの狂気にも慣れてきた。というか飽きた。所詮、小物か。同じSランクでも、赤染アンリとは格が違い過ぎる。所詮、他人の力でしか生きられない寄生虫が、調子に乗って支配者気取りとは滑稽だな。

 …………ん? 目の前の田森を虫けらと認識した途端、俺の心の中から黒い何かが沸き出してくる。ああ、この感じは……。いつものあれだな。

 ――――もしかしたら、魂にはランクがあるのかもしれない。存在そのもの、人間としての価値、器としての質。透も、セリカも、その人間としての器は同格なのかもな。善と悪、片方ずつを極めた存在。なぜだか、そんなことを直感的に思った。

 「結、下がってろ。Sランクの田森は俺がやる。残りの雑魚どもは全て俺の防御で無効化し、殺す。それでいいな?」

 「手伝うよ、兄さん」

 仄暗い笑みを浮かべ、結は頷いてみせる。

 「……吐きかけてたヤツが何言ってる」

 「もう慣れたよ。血の臭いにキてただけ。それに、田森は私が殺したい」

 結、やる気満々過ぎだろ。完全に毒されていやがる。まぁ、気持ちは分からんでもないが。

 「上位ランクをなめるな。俺がやる。下がってろ」

 俺は強引に手を放すと、一歩踏み出す。

 更衣室の影から躍り出て、田森の視界に入る。

 「なっ!? テメェどっから!? そこにいんのは、百鬼ィィィイイイイッッッ!」

 田森は結を見つけると、狂ったように叫ぶ。

 「……やっと出てきたわね」

 花子がニタリと笑みを浮かべる。アイツ、俺たちが隠れているのに気付いてやがったか……。

 「全員、戦闘配備しろ!」

 周りの雑魚が焦ったように田森を阻むように立つ。

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