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±0  作者: 日向陽夏
第1章 殺人カリキュラム【前】 処刑斬首編
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第3話 生首プール⑥

「おい、電気椅子処刑でセリカは殺さないとか言ってなかったか?」

 「殺さないとは言ったけど、電気ショックを与えないとは言ってないよ。死ぬ寸前まで苦しめて電気を止めて、死ぬ寸前まで苦しめて電気を止めて、これを永遠に繰り返し続ける。発狂するまで、発狂するまでね。そうすればもう二度と、もう二度と! セリカちゃんは人間の言葉を喋れなくなっちゃうかもね。フフ、フフフ、フフフフフフフ! こんなに高潔で芯の強い子が、犬みたいに涎と鼻水と涙と小便を無様に垂れ流してぶっ壊れる様、見てみたいよね!? そう思わない!? そう思わないかな!? 彼氏くんっ! 恋人がぶっ壊れていくその時の君の顔を、このギャラクシーで撮りたいなァァ!!」

 嘲笑いながらリリーは、ギャラクシーのレンズを俺に向ける。

 「お、まえはァァ……」

 「ハハハ! 凄んでも駄目だよ。もうこれは決まったこと。さて、それじゃあ《発狂密室》は部分的に解除しておくね。ドアからだけなら、出入りできるようにしておくから。翼で外側からは来られない。出入り口は、一つだけね」

 「……? ああ」

 何故か念を押すように言うリリーに、違和感を覚える。だが、その違和感の正体までは分からない。

「ギャラクシーのタイマーセット完了。じゃあ、行っておいて。よーい、どん! 19分59秒! 58秒! 57秒! ハハハ、セリカちゃんがぶっ壊れる姿が楽しみだなァァ!」

ケタケタと嘲笑うリリーに、血が沸騰する程の怒りがあふれ出す。

 「リリィィイイイイ!」

 怒りの余り、俺からスカーレットのジェネシスがあふれ出す。殺す、殺してやる。この女、俺が殺し――――

 「落ち着いて、兄さん。まず勝てないから。自殺行為。セリカを救いたいなら、まずは深呼吸。いい? 分かった?」

 俺の手首を、冷たい手が握りしめてくる。

 「生首を四つ持ってくること。それだけに意識を集中させて。感情を揺さぶられて指針を見失えば、それこそリリーの思う壺。無駄な時間は一秒もない。思考をシャープにして」

 結の声を聞くと、次第に心が落ち着いていく。歯ぎしりしながら、俺は自らの怒りに耐える。結はゆっくりとドアを開け、屋上を去ろうとする。俺も後に続く。時間が無い。

 「セリカ」

 結は振り返り、冷たい目でセリカを見つめる。冷酷、というよりかは、自らの感情を殺すような、静かな目だった。

 「正直、葛藤してる自分もいる。だけど、だけど……。どんな手を使ってでも、私が必ずあなたをその椅子から降ろす。けど、それはあなたの為じゃ無いから。それだけ」

 「……結」

 セリカは苦しげな、泣きそうな顔に歪む。

 「……?」

 セリカと結の会話に、深いものを感じるが、それを読み取ることが出来ない。二人の間に、何らかの密約があるのかもしれない。

 「行くよ、兄さん」

 結は早足で行ってしまう。俺も慌てて追いかける。

 「まずは体育館へ行く」

 階段を駆け抜け、結は走りながら指針を述べる。

 「……なるほど。あそこなら生首が大量にある確率が高いし、乱戦であれば回収も困難。真っ先に行くなら、あそこか」

 「回収済みの可能性もあるけどね」

 「最悪、生きている人間から回収する状況も想定すべきだな」

 「それは、相手が持っている生首をっていう意味? それとも、自分の手で相手を生首にするっていう意味?」

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