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±0  作者: 日向陽夏
第1章 殺人カリキュラム【前】 処刑斬首編
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第2話 インモラル・エクスタシス⑲

 「じゃ、戻ろうか」

 「フン」

 いばら姫が不機嫌そうに鼻を鳴らし、異能を展開する。

 《自在転移》―ジザイテンイ――

 紫色のジェネシスが渦状に二人を包み込み、一瞬で姿を消す。

一人につき、異能は一つではないようだ。セリカもそうだ。だが、俺には《監禁傀儡》しかない。ジェネシスについて考えれば考えるほど、不可解だと思う。

「せ~んぱいっ、頭撫でてください。約束」

セリカは何故か精神が幼児退行しているし、にこにこして俺に抱きついて首筋に顔を埋めてくる。くすぐったい。あの品行方正で高潔なセリカが……だ。

「ああ」

セリカの頭を優しく撫でると、セリカはうっとりと目を細め幸せそうに唇を半開きに開ける。

 「ふぁ……ぁ」

「何してるの、兄さん」

ぎくっ。背後からの声に、恐る恐る振り返る。

「さっきぶりね。取りあえず無事みたいだけど」

結が呆れたような顔で俺たちを見ていた。

「それは、何のプレイ? こんな時によくもまぁお盛んなことで」

「プ、プレイとかじゃありません」

さっと手を放す。不覚にも敬語になってしまった。

「…………私、は」

次第にセリカの瞳の焦点が戻っていく。

 「気がついたか?」

 俺はそっとセリカの顔を覗き込むと、セリカは悲しげに微笑んだ。

 「…………終わったんですね」

 「ああ、終わったよ」

 「私、二度も人を……この手で」

 セリカはそう言って、両手を苦しそうに見つめる。ドクンと、セリカのその苦しげな顔に心臓が甘く高鳴る。ああ、もっと苦しめたい。と思うと同時に、理性がやめろと泣き叫ぶ。ああ、本当に俺は人として終わってるな……。

 「赤染先輩を倒したのは見事の一言でした。セリカ。兄さんを守ってくれて、ありがとう」

 形だけの笑みを浮かべ、結がセリカに声をかける。

 「…………うん」

 セリカは上の空なのか、形だけの態度で頷く。

 「…………」

 「…………」

 両者、そのまま沈黙。子供の頃から三人で一緒にいて、昔は毎日のように遊んだり喧嘩したりしていたのに、な。中学以降から、相変わらず二人のやり取りはぎこちない。

 「まずは、今後の方針を決めたいと思う。アイツらが提示した生存条件を呑むのであれば、生首を最低でも12個、回収する必要がある。まずは、安藤を殺した分としてここに一つあるからノルマはあと11個の訳だが――――」

 「どうして」

 俺が口を開くと、セリカが傷ついたような目で俺を見据える。

 「どうして、そんな酷いことを冷静に言えるの?」

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