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±0  作者: 日向陽夏
第3章 黒へと至る少女【前】 運命之環編
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第16話 White≒Clear⑬【白雪セリカ(4周目)視点】

 

 ――――落ち着け、この程度の境地は何度も乗り越えてきた。


 そもそも、《諸刃之剣》で封印指定できるのは、自分の能力……。

 だから最悪、この攻撃を食らっても封印される能力はランダム……。じゃない!


 《二人三脚》発動中、私たちは能力を“共有”している。

 封印を透から食らえば、私と透の能力からランダムに封印され、透は私の能力を指定できる……。

 《五大神器》の能力を使ったとしても、また位置を入れ替えられるとこっちがダメージを……。いや! これだ!


 頭をフル回転させて、能力を発動する。


 《右往左往》――ウオウサオウ――


 私は透の能力を発動し、自分の位置と透の位置を入れ替える。


 《右往左往》――ウオウサオウ――


 所詮は、掌の上か……っ。

 私が透と位置を入れ替えた瞬間、位置交換のカウンターを透から食らう。

 歯を食いしばりながら、かつてないほど必死に頭を巡らせて、能力を発動。


 《天衣無縫》――テンイムホウ――


 《色即是空》――シキソクゼクウ――


「な……っ!?」


 すり抜け能力はしかし、透が発動した《色即是空》によって実体を取り戻させられる。

 すり抜けるものを、すり抜けなくする能力を……まさか《天衣無縫》の相殺に使われるなんて!

 思いつきもしない自分の能力の使い方に唖然としながら、それでも必死に能力を発動する。


 《紆余曲折》――ウヨキョクセツ――


 透の、テレキネシス能力。

 これを使って、《諸刃之剣》を止める!


 《紆余曲折》――ウヨキョクセツ――


 綱引きになるだけ、なのか?


 一瞬だけ剣は止まるが、再び私の方へ向かってくる。

 私がテレキネシスで押しても、透がそれ以上のテレキネシスで押し返してくる。


 《守護聖盾》――シュゴセイジュ――


 私は三つの盾を具現化。

 そしてそれは一瞬で――――


 《空中分解》――クウチュウブンカイ――


 消滅する。


 消された! 能力を……っ。

 いや、違う。考え方を変えろ!


 《空中分解》――クウチュウブンカイ――


 私は再び、透の能力を発動。そっちが盾を消すなら、こっちは剣を消滅させてやる。


 《色即是空》――シキソクゼクウ――


 分子レベルで分解されかけた《諸刃之剣》はしかし、《色即是空》によって存在が元の構成として再生成される。


「……っ」


 《色即是空》。すり抜けるものを、すり抜けなくするだけではないのか!?

 ……まるで、存在そのものに干渉する為の能力のような……っ。


 透の方が、私よりも私の能力を使いこなしていた。

 ほんの、この一瞬で……。


 《審判之剣》――シンパンノツルギ――


 けど、こんなところで終わってたまるか。


 私は透の剣の能力を発動し、両手でそのまま《諸刃之剣》へ叩きつけた。


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