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±0  作者: 日向陽夏
第1章 殺人カリキュラム【前】 処刑斬首編
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第2話 インモラル・エクスタシス③

 「死ねぇぇ!」

 モタモタしていたところを、捕食者が見逃す筈も無い。

 セリカの背後から、突進してくる男子生徒。

 ――――まずい。このままではセリカが死ぬ。

 それを見て俺は自らの中に力がわき出してくるのを感じた。

 「死ぬのはお前だ虫けら」

 誰の声だ? ゾッとするような、男の声。自分の声だと気付くのに、数秒遅れる。

 全身から溢れるジェネシス。インディゴブルーだったそれは、一瞬でスカーレットへと変色する。自分でも驚愕するほどの速度で、俺は一瞬でセリカの背後に立っていた。両足にまとわりつくのは、スカーレットのジェネシス。ああ、これが身体能力強化か? 興奮している筈なのに、思考はどこか醒めていた。

 「死ねゴミ」

 剣を振るい首を撥ねる。あまりにもあっけなく、男子生徒の首が視界から消えた。

 「きたねえ血だ、な」

 断面から噴水のような血しぶきが迸り、俺は右手を翳し、ジェネシスをバリア状に展開する。少しタイミングが遅れ、顔に少し返り血がかかる。

バリア化の方法は頭で考えず、咄嗟に無意識下にやっていた。できていた。分かる、何故か分かる。俺にはジェネシスの使い方が分かる。

 「う、うわあ」

 「こ、こいつ」

 周囲の生徒がざわめく。雑魚どもが騒いでいる今が好機か?

 ここでの最善手は離脱のみ。それは結も判っているのか、うろたえることなく、敵襲に備え冷静に辺りを見回している。流石は俺の妹。

 「セリカ、走れないか?」

 俺は尋ねるが、セリカは恐れるように俺を見つめる。

 「……俺が怖いか、セリカ」

 俺が問うと、セリカはハッとした顔をする。

 「そ、そんなことないです。だ、だから……」

 「?」

 「そんな悲しそうな顔、しないでください」

 セリカは苦しげに、呟くように言う。

 「…………ああ。行くぞ、セリカ。お前は何があっても俺が守る」

 俺は剣を消すと、セリカをお姫様抱っこしながら、結に声をかける。

 「上から離脱する。お前も来い、結」

 「…………」

 少しむっとしながら、結が睨んでくる。いや、べつにイチャついてないからな。

 「結、身体能力強化は即興でできそうか?」

 「多分ムリ。あとで合流する。私は私で切り抜けるから」

 そう言う結からは、グレイジェネシスが沸き出していた。灰色、か、強度はどのぐらいなのだろうか?

 「……できるのか?」

 「私を信じて」

 結は真っ直ぐに俺の目を見据え、頷く。

 「っ、了解した」

 ズルいなぁ、と思う。こういう頼み方をされたら、何も言えなくなる。

 「いくぞ、セリカ。舌を噛むなよ」

 「へ?」

 セリカのマヌケ面が可愛かった。俺はジェネシスを両足に纏い、跳ぶ。

 一瞬での跳躍。大地が遠くなる。天井はバリア化で突き破ればこの場は撤退でき――――

 「っ!?」

 「やはり百鬼君は早めに摘んでおかないと駄目ね。こう見えてキレ者なの、見抜いてるのよ私。あなたは簡単に敵にも味方にもできない人材。成長する前に確実にここで殺す」

 空中で、赤染が俺の進行方向に割って入ってくる。こいつ、いつの間に空中に!?

 剣を構え、いつでも俺を殺せるよう準備していたのか。

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