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±0  作者: 日向陽夏
第3章 黒へと至る少女【前】 運命之環編
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第12話 Gランクプラン㉗【白雪セリカ視点】

「と、いうわけでセリカ。あなたの勝利条件はハッキリしたわね」

 アンリはホワイトボードを掌でパンと叩き、注意を引き付けた。

「Gランクを創造する能力を割り出すこと」

「そう。そして、それまで死なないことよ」

「《起死回生》は恐らくもう……使い切っていると考えるべき……だよね」

 同じ相手に一度しか発動しない《起死回生》は、無限に使用できない能力だ。未来の記憶を失っていると考えるのであれば、発動済みである可能性が高い。

もう二度と死ねない。そう考えるべきだ。

「Gランク……。作り出すとは言っても、全くイメージができない。たとえこの中のどれかの能力がそうなのだとしても……」

「そして、タイムリミットの存在も無視できない。死という運命は回避できないのであれば、それまでにGランクを創造して逃げ切るしかないわね」

「Gランクプランは、これで完成?」

「おおまかにはそうね。あとは、能力の検証は早急にやらないとね。セリカ、あなたの全能力を検証させてもらう。あなたが気付いていないだけで、何かの突破口があるかもしれないから」

「良い考えだと思います。アンリさん、それまで私たちは何かしておいた方がいいことはありますか?」

「あなた達の能力の検証もさせて欲しいのだけど?」

「良いですよ。全面的に協力します」

「あなたが協力的だと、違和感が凄いわね……」

「アンリさん、私たちは生まれて初めて“目的意識”というものを持ちました。ある目的の為に努力し何かをするということは、充足感がありますね。なるほど、これが……生存欲求なのですね。私は全ての命に価値は無いと思っていますが、セリカだけは私とは違う答えを出してくれるのではないかと、心のどこかで期待しているのかもしれません」

「カナちゃん、そこだけは私と共通の価値観みたいね。かつてセリカと敵対しながらも共闘することになったよしみで、仲良くしましょ」

「生まれて初めて、友達ができました」

「あらそう。私もよ。奇遇ね」

「アンリさんはお友達沢山いると思いますが……」

「友達っていうのは、対等なものでしょう。私と対等になれる人は今までいなかったから」

「凄い唯我独尊ですね。そういうところ、好きかもです」

「ところで、何でお面してるの? さっきはしてなかったわよね?」

「私の個性……というやつです」

「なるほど、個性は大事ね」

「あいでんてぃてぃ、というやつです」

「カナちゃん、あなたは私と相性が良さそう。あなたの名前、改めて教えて貰える? できるだけ呼ぶようにするわ。お面を目印に」

「アルファです、アンリさん」

「改めてよろしくね」

 二人は楽し気な雰囲気で握手している。

「二人が仲良くなっている……」

 アンリとアルファ、想像できない組み合わせなのに意外と良いコンビらしい。

「あ、セリカも友達ですよ。拗ねないでくださいね」

「セリカはまぁ、うん。友達……うん」

「変なイジり方しないでってば……」

 私は97個目のハンバーガーを平らげながら、苦笑した。


12話は全体的に文字数少な目で更新していく感じで。

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