一章-追求-
Reaper:日本出身・16歳・女
口数は少ないが祥吾の言うことをしっかり聞いている。個人のスキルも高い。
現在の戦場:イラン・ビールジャンド
「ひとまず、私から色々質問があるのですが。」
俺はまず先にその言葉を発した。
「まあ焦らずに♪君の疑問はわかるけども。…さて、まずはあの見えざる敵、”GhostsSoldierについてだね。」
「GhostsSoldier……それがあの?」
「うん。言いにくいんだったら見えざる敵でも構わないけど?」
「見えざる敵の方で呼ばさせてもらいます。」
個人的にだが、そっちの方がしっくりくる。ただ、GhostsSoldier……?アレが幽霊だとでも言うのか?ステルス迷彩だと思ったがそうでもないならそれしかないとでも思ったのか?どっちにしろ、詳しく聞く必要性があるようだな……
「その……”見えざる敵”と言うのは一体どんな存在何ですか?英語名を聞く限りだと……」
「うん、アレは人智を超えた存在だね。幽霊ってやつだよ。」
「……信じられません。こんな科学が発展した現代でですか?」
「私達もよくアレについて分かってないことの方が多いよ。…最重要機密事項なんだ、私にも詳しい話は知らされてないよ。」
「それほどまでに警戒すべき敵なのですか?」
「うん。なにせ普通の銃弾じゃダメージを与えられないし、見えないから奇襲をかけられたらまず全滅する可能性は高いからね。」
「そう考えると……確かにそうですね。」
見えない上に普通の銃弾じゃ歯がたたないとまでなると…相当きつい戦いになるのは目に見えているな……だがさっき、司令が使った”霊媒砲”だったか?あれで攻撃が収まったところを見ると…
「司令。その、見えざる敵の対処はさっき使っていた”霊媒砲”についてですが……」
「それを言おうとしたんだよ。霊媒砲の原理は私もよくは知らないんだけど…何でも”霊力”と言われる概念をチャージし発射するものらしいんだ。…それは戦死者の数だけ威力を増すことから魂を武器に使っているとも言われているよ。一部からは批判も出てるくらいだし。」
「……ある種の非人道兵器ってやつですか。」
「そうだね~……それでも、見えざる敵はに対して唯一殲滅できる武器だし有用ではあるんだけどね。それから見えざる敵についてなんだけど…アレは私たちには”超常存在”とだけ伝えられているよ。幽霊と言われるものなのか、と聞いたけど答えは限りなくイエスに近いらしい。」
「超常存在……ですか。」
この世の常識を覆してるとでも言えよう。そんな存在がこの世にいるだなんて……本当に信じられないことだ。未だに、説明を受けても疑念に感じる自分がいる。至極真っ当なことだとは感じているが、そう思う自分が嫌だという気持ちも少なからず存在する。
「……今後は私達はどうすればいいんですか?」
「ひとまずはespoir部隊の訓練とか、後は会話をするだとかして親交を深めて。」
「親交を深める……ですか。」
「まあ、最初は訓練で彼女たちの様子を見てからでもいいよ~しばらくはespoir部隊は待機することになるし。」
「は、はあ……進軍をすればいつになりますか?」
「敵も見えざる敵を使ってきたとなればそうやすやすと攻めてこないと思う。おそらくは1ヶ月以上は待機。具体的な作戦が出るまでは司令本部に待機という流れになるのかな?」
「そうですか……まあ、一ヶ月アレば十分でしょう。それでは。」
「幸運を。祥吾くん♪」
俺は一礼をしてその場を去った。交流…か。
あいつらを知るいい機会だと思うか…