表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
見えざる敵の戦場(更新停止中。)  作者: 黒崎零士
序章-葛藤・そして、出会い-
2/11

二章-過程-

主人公・外木場祥吾 日本出身・18歳・男

容姿は良い方で、性格はドライだが生まれ育った環境が影響している。

現在の戦場:日本・静岡県浜松市

 -遡ること13年前。


 「ねえ父さん?」

 「どうした祥吾?」

 「どうして日本は戦争してるの?」

 「悪い人たちを倒すためだよ。いいかい祥吾。アメリカやヨーロッパは悪い奴らだぞ!」

 「う、うん。」

 この祥吾と呼ばれる人物こそ「ナンバー26」、彼の本名だ。外木場祥吾。それがフルネームである。この時まだ5歳である。

 「おっと父さんはちょっと見回りがあるんだ。じゃあ行ってくるね。」

 「うん!行ってらっしゃい!」

 (う~ん。見回りって何するのかな?付いて行ってみよう!)


 




  30分後……

 (す、すごい歩いたけど…まだバレてないかな?)


 着いたのはやや入り組んでいる裏路地。祥吾はその前に居た。そして…


 (あ、隣の家のおじさんとかいる。囲んでるのは外国人かなあ?なにするのかなあ。)


      「この!貴様ら!アメ公が!」「戦争国の相手には何したっていいんだよなあ!?」


  ガシイ!ゲシ!バキ!

 彼らが殴るたびに鮮血が散る……当然血を流してるのはアメリカ人だ。


      「stop!sorry!oh……」

 「や、やめてください!彼は私の夫!」

 「うるさい!お前も敵国の人間と結婚してるということはお前も敵だ!おらああ!」

 「きゃあああああああああ!」

 (……え?こ、これが見回り…だったの?ただ、いっぱい殴ってるだけ……)


 そう、彼らは一方的に虐待していたのである。無抵抗な人間を。


  「はあ…はあ…死ねえ!」


 ベギイ!骨を砕く生々しい音が周囲に響く。おそらく、アメリカ人は絶命したであろう。


  「お前も死ね!」


 ベギイ!さっきと同じ音が響く。彼女も絶命したであろう。

 彼らは極度に外国人に追い詰められていた。しかし、それが更なる人間の凶暴性を引き出してしまったのだろう。そんな彼らを見て、怯えないはずがない。まだ5歳の祥吾が。


 「あああ……」

 「誰だあ!」


 祥吾の父は気づいた。


 「しょ、祥吾……お前、まさか……」

 「うわあああああああああああああああ!」

 「待て!祥吾!」


 祥吾は逃げた。なぜ逃げたのかはわからない。怖くなったのか、目の前の現実を受け止めれなかったのか、どうなのかはわからない。祥吾はとにかく逃げた。

 



 それくらい経っただろうか。ひたすらに走った祥吾はある女性と出会った。見目麗しく、下手に化粧もしてない。一般的に美人とされる女性だった。


 「おや、そんなに息があがって…どうしたんだ君。」

 「…………」

 「ちょっと失礼。」

 その女性は祥吾のでこに、自分のデコを合わせた。

 「なるほど、君の父親がアメリカ人を虐待していたんだね?」

 「!なんで…?」

 「内緒。でも、君はこうして逃げ出してきたわけだけど、行くところはあるのかい?」

 「…………」

 「…………うん。分かった。2つの選択肢を出すよ?」

 「え……?」

 「そのまま家族のところへ戻るのか。それとも、私についてくるか。………選んで。」

 「……」

 (……まだ幼子には早かったかな?流石に……)

 「……出ていきます。僕、お姉さんに着いて行きます。」

 「……良いんだね?どっちにしろ、厳しいんだよ?」

 「大丈夫です……」

 「うん、分かった。じゃあ、ついてきて。」

 「はい!」




 「……俺はあの選択を悔いてはない。正しかったと感じてる。だから俺は……」


 何かを言おうとしたが言葉が出てこない。だが、俺にとっては出てこないほうがありがたい。後悔するなんてことは決して無いからだ。そう思いながら俺は司令本部の建物の前に立っている

 ふと疑問に感じた。そういえばなぜ俺は司令に呼ばれたんだ?正直、そのまま戦ってるほうが良い気がするんだがな……考えても仕方ないか。そもそも、ここの司令官には会ったこともない。俺は基本フリーの兵士だから今までも他の戦場で指令が来たことはなかった。そう考えるとなおさら不思議だな…

 そう思いながら俺は司令本部の建物前に立つ。そして…歩みを再開させる。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ