5話 40日(1カ月)~120日(3カ月)
遅れて申し訳ありません。
2カ月ぶりのキエルです。
この2カ月、色々あった。熊?から逃げたり。デッカイ蜘蛛の巣の縦糸を回収したり、熊?から逃げたり、蜘蛛の巣に引っかかったり、熊?と闘ったり、デッカイ蠅?に追いかけられたり、熊?をステーキにしたり、スライムを仲間にしたり、小熊?を蜘蛛から助けたり、母熊?と和解したり、湖が三日月みたいな形だとわかったり、ラムーがスイカ無双したり、ラムーがスイカフィーバーしたり、ラムーが・・・ホント、色々あった。
まず、精霊を使役できるようになり探索範囲が広がり、一人でも大丈夫だと調子にのり森の奥に行こうと思いずんずん進んで熊?に出会った。・・・鎧のような物を着けた熊を見つけたらまずは隠れるだろ?で、定番の枝を踏んで音が鳴ってバレるっていうのを定番通りにやって逃げるわけ・・・で、当然の如く身体が5歳児ぐらいの幼児ボディの俺は逃げ切れず追い込まれてもうダメだと思い目を閉じたところで、ラムーさん登場!熊に向かってフラッシュをして熊が目が見えずにその場で暴れている間に逃走を成功させた・・・訳だが、帰ってからラムーさんにお前は馬鹿か?と前足でたしたし叩かれまくったのが熊公との最初の思い出だ。
次、出会ったら必ず仕留めてやる。
熊から逃げてから暫くたち、あの時にもっと冷静に対処出来てたらと思い魔法をもっとスムーズに使えるように訓練を行い(おこない)リベンジに燃え、再戦だ!と満を持して森に入った(ラムーと精霊達も最初から一緒に)。
前回と違い、熊に出会わずに奥に進みデッカイ蜘蛛の巣を見つけた。蜘蛛って森の中でもこんなに綺麗に巣を張るんだなと思いながら、これだけ糸が太かったら布が作れるんじゃないかと思い、確か蜘蛛の糸って横糸はベトベトするけど縦糸はくっ付かないんだよなと虚覚え(うろおぼえ)の俄知識を確かめるべく木の棒で突いて確認する。
くっ付かないのを確認できたから回収しようとして、どうやって回収しようか迷い、もうこの木の棒に巻き付けるので良いかと一人で納得してくるくる巻いていき綿あめみたいになったらアイテムボックスの中に放り込む・・・この糸に触れたらアイテムボックスに収納できないかな?と思い実践してみると蜘蛛の糸が全て回収できた。今度からはこうやって回収しようと思う。
熊に出会うこともなく森の探索が進み、そろそろ帰るかなと反転したところで横合いからがさっと音がして熊が出てきた。
「うぉああああー」
叫びながら逃げてしまった。熊も「ガアアアア」と吠えながら追いかけてくる。
自分に「普通にあんな状況だったらにげるよね」と言い訳しながら熊の様子を見ようと後ろに視線をやったら「ふもぁ」と蜘蛛の巣に引っかかった。慌てれば慌てるほど蜘蛛の巣は余計に絡まっていく、焦りながら「収納!」と言い蜘蛛の巣をどけたが熊はもう目の前で逃げるにはもう無理だと思いっきり横っ飛びをして熊を避ける。
熊は通り過ぎた瞬間からブレーキをかけ、こっちに振り向いて両手を上げて威嚇しようとした瞬間に「ノーム!落とし穴!!」と指示を出したら、熊の足元の土が無くなりヒューっと落ちて行った・・・。
恐る恐る落とし穴に近づくと、穴の中(熊サイズの10メートル級)の底で超怒った熊が「GAAAA」と叫んでいた。
これなら恐くないと、魔法に集中できるので熊の後ろの壁から「アースニードル」を生やすも熊の鎧に弾かれる。なら前はどうだ?っと胸の部分を狙って生やすが熊に腕で防がれる。上から水を掛けて気を逸らしてもう一度生やす、今度は上手くいきザクッと刺さる。しばらく血をドバドバ出しながら穴から出ようともがいていたがズズンっと倒れた。倒れたのを確認し死んでいるかの確認のため小石を中てて動かないのを確認してから「ノーム」にお願いして落とし穴を元に戻してもらう。アイテムボックスの中に収納して家に帰って捌こうと思う・・・アイテムボックスに自動で捌いてくれる機能があったら楽なのにな~と思いながら家路につく途中でピコーンとお馴染みの音が鳴る。
「まさか、このタイミングで鳴るってことは・・・」と期待しながら久しぶりにお知らせを開くと・・・案の定、アイテムボックスに解体機能が賦与されました。と出ていた。
ここ最近はお知らせを開くのはその時の気分か勘で開くのを決めている。あまりにもピコンピコン煩いので基本的に無視している。
さっそく解体してみる・・・名前は鎧灰色熊というらしい、の肉・毛皮・骨・熊胆・牙・爪・キモに分かれた。
熊胆とは何ぞや?と鑑定する。
鎧灰色熊の熊胆・・・状態良好・主に消化器系の薬の材料となる・食用可
「薬になるのか、ふ~ん」と、独り言を言っていると、ブ~ン、という音が聞こえてくる。また、トラブルか!?と周囲を探る。
1mほどの大きさの蠅?がこっちに向かってくるのが見えた。あまりにも悍ましい(おぞましい)、あまりにも醜い、あまりにも気持ち悪い、その姿に・・・
「いやあぁぁ」
女性のような悲鳴を上げながら形振り構わず全力で逃げた。あの音「ブ~ン」から「ブ~ン」必死に「ブ~ン」逃げた「ブ~ン」。
ある程度逃げたところであの音がしなくなったのでまいたのか?と振り返ると蜘蛛の巣に掛かっていた。ざまぁみろと息を整えながら見ていると蠅?よりもデカい蜘蛛が出てきた・・・「ひぃぃ」またしても気持ちの悪さに逃げ出してしまった。
さっきのことは、無かったことにして自分の家でラムーさんをもふもふして癒されたので、熊を捌こうと思ったらアイテムボックスが解体してくれていたのを思い出し、ならステーキにして食おうと石を鉄板にして焼き始めるとラムーさんがそわそわしだす。
ラムーさんをもうちょっとだから待ってと言いながらじっくりと火を通していると、湖からウンディーネがプルプルしたゼリー状の物体X、ファンタジーの定番「スライム」を連れてきた。
こっちに襲い掛かりそうも無いのでスライムのことは横に置いておいて、今は、熊肉に集中する。今!というタイミングで火からサッと上げる。ラムーさん達と食べているとスライムがプルプルしながら近寄ってくる。
「お前も食べるか?」と一切れやるとプルプルしているのは変わらないが水色からピンクになってプルプルしている、なかなか可愛いじゃないか。デザートにスイカを出すと、また欲しそうにしているから一欠けらやるとピンクからスイカの縞模様になった、どうやら気に入ったらしい。
ご飯も食べ終わってラムーさんが興味深そうにスライムをツンツン突くたびにプルンプルン揺れるのを見て、精霊が連れてきて害も無さそうだしと両手で抱き上げると、プルプル震えてピンクに変わる。・・・照れてる?
お前は何者なんだ?と鑑定を掛ける。
名前:
年齢:0歳(2時間)
種族:スライム
HP:14
MP:104
称号:原初のスライム
原初のスライム?俺と同じ?
「お前も一人なのか?家に住むか?」
プルンップルンッと思いっきり揺れる・・・恐らく、頷いているんだろうと思う。
「今日から仲間になるスライムだ。名前は・・・後で考える」
みんな(ラムーさん達や精霊達)に紹介する。チビーズの4匹にぽすぽす体当たりされるたびにプルンップルンッと揺れる姿に和みながら大丈夫そうだと思い、また、探索に行ってくると言い、チビーズにこの集落?はお前たちに任せた!と言ってやると「メっ」と片足を上げて返事をしてくれる。
にんまりしながらまた森に入り奥に進むと、「くぅ~」と切ない鳴き声が聞こえてくる。鳴き声の聞こえる方に慎重に進んでいくと蜘蛛の巣に絡まって動けない小熊がいた。一瞬、罠か?と周囲を見回しても何もないので大丈夫だろうと、小熊に近づき声をかける。
「ほら、動くな、余計に絡まってしまうぞ」
警戒して「うぅ」と唸るが可愛いだけだ。糸に触れ「収納」と念じると糸だけ収納できた。サッと糸が取れると離れて警戒しながらも興味があるのかこっちの匂いを嗅いでいる。危険がないと判断したのか近寄ってくるこっちからは動かない、手の匂いを嗅いでペロッと舐めてきたので思いっきり頭や喉元を撫でてやる。気持ちいいのか「くぅ~ん」「くぅ~ん」と甘えてくる。腹が減ってるか?とスイカを出して割ってやると美味しそうに食べている(割った半分はラムーが食べている)。
ガサッと前の茂みから音が聞こえた。・・・親熊だと不味いので小熊からゆっくり離れていく、自分の対応がよかったのか親熊が出てきても襲われず、「グルル」と警戒されるだけで済んだ。小熊は親熊が来たのが嬉しいのか親熊の足に頭を擦りつけている間もゆっくり下がったお蔭か警戒も解け小熊と一緒にスイカを食べて去って行った。今日は探索をやめてもう帰ろうとラムーと歩いて帰った。
小熊を助けてから森に入るのは、しばらく止めようと決め、湖の外周を回ろうと決めてラムーさんとチビーズを連れ、頭にスライムのアクア(何が良いか迷った結果、見た目水色だし・・・と、この名前に決まった)を乗せて遠足気分で湖をグルッと一周しようと軽い気持ちで出たら・・・1日で外周を回りきれず、5日もかかった。
途中にあったハプニングといえば、チビーズが湖に突貫して溺れたり、ラムーさんがスイカを食べて「うおー」と走りだしたり、野営中に頭からアクアがコロンと落ちて焚火に突っ込んだり、世界樹の根本に着いて見上げてたら木の枝(巨木サイズ)が落ちてきたり(アイテムボックスに回収済)、ラムーさんが精霊と合体技みたいなの開発したり、概ね無事に家に帰ってこれた(チビーズの親に怒られた)。
そろそろ蜘蛛の糸で布を作ろうと思ってアイテムボックスから出したんだが・・・機織り(はたおり)って縦糸を張って、横糸を縦糸の上下を通していくんだよな?と色々やって試作1号ができた・・・布?と表現するのに困るボロいのだが、葉っぱよりマシかな?換えるかっと地面に置いたら布?をアクアに食べられた。
「あ゛-、アクア!ぺっしなさい!ぺっ」
暫くモゴプル、モゴプル、動いてたと思ったら、ぺっと「これぞ布」っというのを吐き出した。「アクア、お前こんなことが出来るんだな」と、関心してしげしげと見てしまった。アクアは照れたのか、ほんのりピンクになってプルプルしていた。
これで俺の装備が葉っぱから褌にランクアップした。後は、もっと蜘蛛の巣を見つけるか麻みたいな木を見つけて繊維を取り出して服を作るだけだ。
「うおー、燃えてきたー」
五月蠅い!とラムーさんに怒られました。
追記、森の奥に行けば蜘蛛の巣は比較的に簡単に見つかったのですが、デッカイ蜘蛛も一緒にいるので、麻の木を探した方が早いかも知れません。
名前:キエル
年齢:0歳(3カ月)
種族:エルフ?
HP:410→1210(NEW!)
MP:5000→13000(NEW!)
称号:世界樹の愛し子・最初の人種・原初のエルフ・世界樹の実を食べた者・従魔士・狩猟者(見習い)・魔法建築士(見習い)・精霊王・冒険者(擬き)・逃亡者(NEW)
スキル:鑑定Lv.2 食用の有無・一部名称解放・取得情報量の増加(NEW)
スイカLv.4 栄養満点・味の変化・形変化・大小変化・体力強化(NEW)