1話 1時間~8時間
この作品は作者の無駄知識を使用している為、間違った知識等がありますので実際に試したり使用しないでください。
まず、わかったことは水はすぐ手に入ること
樹のインパクトが強すぎて見上げていてわからなかったがあと一歩でも進んでいたら湖にドボンだった。
どうしてこんなにデカい湖に気付かなかったんだと最初の自分に言いたい。
とにかく水は手に入る。あとは食糧と着るもの、住む場所・・・無理じゃね?
とりあえず、飯だ!食い物がなかったら力が出ない云々の前に死ぬ!!
目の前の湖に魚が泳いでるのが見えるが素人が素潜りで銛もないのに獲れるわけがない。
なら森があるのだから木の実や果物が生っているだろうと森に入ることにしたんだが・・・
樹に近づくにつれ湖の真ん中にある樹もバカデカいが周辺にある樹も樹齢何千年だ?と言いたくなるほどデカい樹しかない。
木の実を見つけてもどうやって採ればいいんだろうと思いながらも見つけてから考えようと思考放棄しかてたとき・・・
ドバァァン
ものすごい音が後ろからきこえた。
俺は情けなくも「ヒィィ・・・」と悲鳴を上げ、頭を抱えて蹲ってしまった。
少し時間がたってから恐々と後ろを振り返ると・・・
微妙な色合いの桃?(バレーボール大)が湖に浮いていた。
湖の傍までよると足元まで流れてきた。
「割ったら赤子が出てこないだろうな・・・」
桃?を突きながらこれは食べられるのか?と鼻を近づけ匂いを嗅いだり、持ち上げて360度異状がないか見たりした結果・・・
「・・・食べてみるか」
まずは安全かチェックしなきゃな。
少しだけ皮をむき、皮を二の腕に軽く擦りつける。10分ほど放置・・・粘つく以外問題なし、少しだけ口に含みすぐに吐き出し10分放置・・・舌先に痺れなし、苦くもない寧ろ美味い、確認終了。・・・貪りつく。
「腹、いっぱい、もう、食えない」
桃?を食べつくし幸せな気分に浸っているときに、もの凄く「漲ってきたァァァ」と叫び声を上げそうなほどの充足感が全身を襲った。
「な、何だ?何が起こった?」
ピコーン
頭の中で変な音がなった。
よくわからないが、小説とかアニメならこういう時はステータスかお知らせだろう。
「メニュー」
ステータスとお知らせにNEW!と点滅している。
まずはステータスから
名前:
年齢:0歳(5時間)
種族:エルフ?
HP:10→20(NEW!)
MP:1000→1100(NEW!)
称号:世界樹の愛し子・最初の人種・原初のエルフ・世界樹の実を食べた者(NEW)
ちょっとパワーアップしてる。やっぱりエルフ?だからMPの伸びが良いのか?
称号の世界樹の実を食べた者って、毒物食べたのに平気だよ、オカシイんじゃないのコイツ?っていう悪意があるように感じるのは俺の偏見だろうか?
まぁ、いい次はお知らせだ。
お知らせ NEW!
世界樹の実を食べて体がパーンとならなかった史上初の生物?
パーンってなんですか!?体が弾ける感じのヤバいヤツですか!?
しかも生物?って生物かすら疑問視されてる!?
プ~ン
都合よく蠅みたいな今まで見たことのない虫?が桃?を食べるときに剥いた皮にとまった。
パーン!!
蠅?が弾け飛んだ。
・・・イヤーー!?俺もあんな風になるのか!?なっちゃうのか!?
頭を抱えてゴロゴロ転がっていると、お知らせを思い出して少し落ち着いた。
「・・・俺ってチート?」
パーンとならないチート・・・嫌なチートである。
もっとましなチートが欲しい。例えば創造とか空間魔法とか・・・魔法はまだ試してないから可能性があるか。とにかく早急に創造とか鑑定が欲しい、さっきゴロゴロ転がったせいでいろいろと痛い・・・服が欲しい。
ピコーン
またあの音が聞こえた。
メニューを開くとお知らせとスキルにNEWがついている。いつの間にか増えた!?
スキルが気になるがお知らせを開く。
お知らせ NEW!
スキルGETだぜ!!
イラッとした俺は悪くないと思う。
スキルを開く
スキル NEW!
鑑定Lv.0 NEW!
スイカLv.0 NEW!
取得条件はわからないが鑑定は良いとして、スイカって何!?説明プリーズ!
スイカ・・・MP100を消費して栄養満点なおいしいスイカを出します。レベルが上がるとよりおいしくなります。
強めに意識すると説明文が出るのか、鑑定はどうだ?
鑑定・・・MP1を消費して鑑定します。レベルが上がると様々な情報がわかるようになります。
鑑定はコストが全然掛からないみたいだな。
足元に生えている雑草に鑑定をかけてみる。
「・・・」
「・・・・・・?」
「・・・どうやって鑑定するんだ?」
声に出してみる。
「鑑定」
雑草・・・食用可
これだけかよ!?もっと色々あるだろ!
さっきの皮に鑑定をかけてみる。
世界樹の実の皮・・・食用可?
をぉい!!その?はなんだ!食べれた俺がオカシイって言いたいのか!?
ハートブレイクしそうだよ。・・・スイカ出してみるか。
「スイカ」
ゴロンとスイカが手から出てきた。
「うおっ」
ビックリして尻餅をついてしまった。
「食べられるよな?スイカなんだし」
つんつん突きながら、割るものがないか周辺を見回す。
ちょうどいい樹の枝を見つけ取ってくる。ビーチではないがスイカ割りにテンションが上がり思いっきり振り下ろす。
「チェストー」
ボコッ
割ることができず4分の1ほどが潰れただけだった。
「まあ、まだ生まれて数時間だしな・・・」
半分に割ることができずちょっとヘコんだが欠片を食べてみる。
普通においしいスイカだ・・・、ちょっと鑑定するか。
栄養満点スイカ・・・生きる為の栄養がすべてつまったスイカ。
・・・食べもので死ぬことはなくなったな。
衣・食・住の食はなんとかなったのはいいが衣と住はどうするか・・・、樹に絡まっている蔓と葉っぱで大事な息子を隠すぐらいしかないか・・・。
思い立ったが吉日とばかりに立ち上がって蔓を集めようと動こうとしたとき視界にスイカが目に入った。
「どうしよう、もったいないよな捨てるの」
残ったスイカ(ほぼ全部)の良い利用法はないものか思案しながら周囲を見回していると・・・パチャンッ湖で魚が跳ねた。
たしかスイカで魚が釣れるんだよな・・・と前世?の俄知識をおもいだす。
・・・チャポン、湖に浸けてみた。
「ヒィ」
池の鯉やアマゾンのピラニアの如くビチビチと一斉に群がってきた。
魚を捕まえるとか考える余裕もなく変なトラウマが出来てしまった・・・。
真の主人公はスイカかもしれない・・・。