2/3
001.
春休みが終わる七日前……
とある事情によって一人暮らしを強制されたボクは食料の買い出しをすべく、近くのスーパーへと向かっていた。
「はぁ……なぁんで、こんな状況になったんだろ」
愚痴を零したところで事が済むわけでも無い、ということは分かっているのだが分かっていても零れてしまう。
「まぁいいや、とっとと買い物済ませよ「……助けて、ください……」う……え??」
耳についた助けを求める言葉、振り返るとそこには一人の女性が横たわっていた。
「どうしたんですか!?」
「追われていて……どうか、匿っては貰えませんか?」
家が近い……だが、こういった手合いの厄介事は御免被りたいのだが……だが……
「わかりました、家が近いのでそっちに行きましょう」
もう後悔はしたくない、そんな思いからボクは名も知らぬ彼女を家に連れ帰った。
……これが、物語の引金を引いたとも知らずに……。