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どうする?  作者: 藤田
6/8

想い

 私はというと、大学に入ってから自分のやりたいことを探すようになった。

 最初は逃げ道だった気がする。真の隣に立てない自分から、目を逸らすために何かを始めたかった。

 だけど次第に、それが“自分の足で立つ”ってことなのかもしれない、と思うようになった。


 学園祭の実行委員。地域のイベントのボランティア。小さな演劇サークルの手伝い。

 どれもすぐに役に立つものじゃなかったけど、誰かの笑顔が見えたり、感謝されたり、結果が形になるたびに――「わたし、今、ちゃんと生きてるな」って思えた。


 ……それに。

 自分がやりたいことに夢中になっている姿を、もし真がどこかで見てくれていたらって、そんなことも、少しだけ期待してた。


 子どもみたいだって、思う。

 でも、本当の本当は、それが一番の理由だったのかもしれない。

 真が、もしまた迷ったときに、やりたいことを選べるように。

 「わたしはこうして進んだよ」って、何も言わなくても伝えられるように。

 そんな不器用なやさしさで、自分を動かしてた。


 本当は。


 かつての彼の絵が好きだった。今みたいにずば抜けているわけではないけど、自由で何かを夢中で追いかけているのが伝わってくる絵だった

 あの頃の彼が、私にはいちばん輝いて見えた。


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