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【完結】忌み子だった侯爵家の『捨てら令嬢』は謎スキル『もふり』で獣に『攫わ令嬢』に  作者: 安ころもっち
vs 邪神編

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ご覧いただきありがとうございます。

最後に評価など頂けれは嬉しいです。


真っ赤になりながら私の説得を続けアッシュールさん。


でもごめんなさい。もう時間がないみたい。

もうすでにかなり意識も朦朧としてきたんだよね。


でも私やったよ!このまま邪神の魂も無事消滅させれそう……私ももう……どっちにしてもこれじゃ体を保てないしね。今やめたところで……私も邪神も消滅するのは決定事項。定められた運命なんだよ。


うん。運命だからしかたない!


『マリ姉!マリ姉!僕に!僕にマリ姉を助けさせてよ!』

無理やりに動こうとして体のあちこちから血を噴き出しているジロ、だめだよ……死んだらダメなんだからね……


「私はこの世界で、幸せだったよ。ジロ……守ってくれてありがとう。大好き……」

私はそっと目を閉じる。


そろそろ無理そうだ。私は消滅しちゃうけど、私は最後にこの世界を救ちゃうんだね!それなら私は……私は、世界を救った英雄様!なんて崇められるのかな?立派な銅像もできちゃうかも!

でも崇められすぎちゃって神様とかになったりしない?アトちゃんのところに行くの?それはちょっとなんか色々疲れちゃいそうだね。


ジロ、ありがとう。元気でね。私のこと……忘れてもいいから。幸せになってね。モモさんいつも私を包んでくれる。私のお母さん。あれ?私お母さんいっぱいいる!そんなことを思いながら幸せな気持ちに酔いしれる。

お父さんもお兄ちゃんも弟も妹も……私の周りにはいっぱい支えて守ってくれるみんながいた。大丈夫!充分しあわせだったよ。もう未練は……ない!


私は幸せな気持ちで逝けそうだ。

別れを悲しむ気持ちをそれで覆い隠しながら……


あーあ、みんなにもちゃんと挨拶したかったな……全員無事だといいな。いや絶対無事だよ大丈夫。みんな、ありがとう。大好き……


バイバイ……




『ふざげるなあ!ごの、がぎどもがあ”ー!』

その邪神の地の底から沸きあがったような声を聞き、眠りそうな私の魂が震えた。叩き起こされた。


必死で目を開ける。


邪神は全身から血を噴き出しながらもこちらへゆっくりと歩いている。

体に巻き付いていた白いオーラが消えている。目や口からも大量に血を噴き出している。なぜあれで生きていられるのか……その傷口からは黒いオーラが霧のように漏れ出ている。

そもそも私と同じですでに消滅するしかない程度の魂しか残っていないハズなのに……


『おでは……めがみに……ふくじゅうお”お”……ふ、ぐう”……』

邪神の血濡れの目が私を睨みつけている……


『それは……いいタイミングだな……』

『な、に、お”い”ま……さだ……』

『あの時と一緒だ……今度は俺様が!お前を乗っ取ってやるぜ!』

『『お”お”お”あ”あ”あ”ー!』』

どう、なってるの?何が、起こってるこな分からない。邪神は今、何と戦っているのか……


『ふう……ようやく、戻ってこれた……』

戻って?あれ?邪神の魂が少しだけ回復しているのが分かる。これはあれだ……もう終わりな奴だ。あの男が、帰ってきた……


『はー。やっとスッキリした気がするぜ!』

邪神は、邪神だった体を奪った、いや取り戻した男は……息をはきながら手足を軽く動かす。だがその手足に無数の亀裂が走る。


『やっぱ手遅れかな?まあいいか……おい!女!』

私は無力な自分を悔やんだ。もう何もできない。私はすぐに消滅するだろう。そしてこの男の体も消滅するだろう。だが私を殺し、その残り少ない魂を喰ったらこの男はどうなる?


それで回復してしまうならこの男によってこの世界は終わるのだろう。

それだけは絶対阻止したかったんだけどな……


『ちっ!もうしゃべる力も残ってねーか……まあいい。これは……返しておくぜ!』

邪神の体を動かすあの男が左手を前へと伸ばす。その手から光が3つふわりと浮かび、そしてそのまま私の中へと入ってきた。少しだけ私の中の魂が回復していくのが分かる……これなら少なくとも消滅することはない程度に……


「なんで……」

『なんで、だろーな……』

混乱する私の言葉に、少しだけ悲しげな表情をする男。残念ながら名前は失念しているため呼ぶことはできない。そしてどうやらそれを聞くことも敵わなそうだ。


目の前の男はボロボロとくずれ、あっという間に塵となっていく。崩れ行く最後に『まあ案外たのしかったぞ』とあの男の声が聞こえた。少しだけその顔は笑みを浮かべていたように思えた。


そして私はやっとこの戦いが終わったことを認識して、体の疲れに引っ張られるように眠りについた。


周りでみんなの声が聞こえてくる。でも今はごめん。多分あれだ。アトちゃんにお呼ばれした奴だ。私は仕方なしにその眠気に意識を預けて眠りについた。


そして暖かな何かに包まれ、魂がゆっくりと回復してゆくのが分かる。

これは、アトちゃんの手かな?


うつ伏せに寝そべっている無様な私の頭を、小さな手がポンポンと撫でているのか叩いているのか……私の中の魂が叩かれる度に回復しているのが分かる。


はーポンポン気持ちいい……このままずっと寝てようかな?


ポンポンポンポン……あっ、ちょ!いたっ!いたい!いたいたたたた!


「もう!連打禁止!」

私は小さな手で段々と強くなる打撃に耐え兼ね、跳ね起きた。

お読みいただきありがとうございます。やっと戦いも終わりました。明日も17時更新となります。

期待してる! もっと読みたい! 読んでやってもいいよ!

そんな方は下の☆☆☆☆☆を押してい頂けると嬉しいです!

もちろんブクマやコメント、レビューなどもいただけると飛び上がって喜びます。

読者様のお力が必要なんです!


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